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 近年,オフィス文書や電子メール,画像などの非構造化データが増大しており,それらを格納するファイルサーバ市場が活気づいている.日立ではこのような市場環境に対して,ファイルサーバ製品のクラウド連携機能Cloud on-Ramp(COR)を活用したストレージクラウドサービス(CORサービス)を開発し,事業環境の変化や新たに発見した顧客ニーズに合わせ,サービスを拡充していった.本稿では,CORの特徴について述べるとともに,CORサービスの拡充経緯とその考え方を具体的に紹介し,クラウドにおけるサービス拡充の観点についてまとめる.

1.はじめに

 近年,世界中で作成されるデータが増加している.その中でも,とりわけオフィス文書や電子メール,画像,音楽,映像などのファイル形式で格納されるデータの増加が著しい.データベースのようにあらかじめ決められたモデルで格納や処理がされるものを構造化データと呼ぶのに対して,ファイル形式のように,モデルを定められていないデータを非構造化データと呼ぶ.

 企業で運用される情報システムにおいても,業務で生成される非構造化データが増大し,それらを格納するストレージ関連コストの増加が課題となっている.コスト増の要因としては,データを格納するストレージの導入コスト,ストレージのバックアップやリカバリなどの運用にかかるコストがあげられる.

 一方,WANやインターネット越しにネットワーク上のコンピュータ資源を利用するクラウドコンピューティングが注目を集めている.クラウドコンピューティングを活用すれば,手元にハードウェアやソフトウェアを所有することなく,必要なときに必要な量のコンピュータ資源を,それに見合ったコストで利用できる.

 日立製作所は,爆発的に増え続ける非構造化データの管理を容易化する製品機能として,ファイルサーバがクラウドコンピューティングと連携するCloud on-Ramp(COR)を開発した.

 本稿では,第2章でCORについて紹介し,第3章でそのCORを活用したクラウドサービスについて述べる.続く第4章では,上記クラウドサービスにおけるサービス拡充経緯とその考え方を具体的に紹介し,第5章でクラウドサービスにおける拡充の観点について整理する.さらに,第6章で今後の展開について述べ,第7章でまとめとする.