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 システム開発において何をシステム化するのか(システムの要求)を定義するためには,本来であれば何のためにシステムを作るのか(システムの目的)が明確化されていなければならない.しかしながら,システムに求められる内容が高度化・複雑化してくると,システムを利用するユーザ自身もシステムを活用して何を実現したいのかを明確に定義することが難しくなる.このような背景を受けて,システム開発における上流プロセスの重要性の認識は急速に高まってきている.本稿では,NTT データの開発手順TERASOLUNA における上流プロセスの整備・体系化の取り組みの経緯や実施内容を述べる.また,近年のグローバル化への対応としてグローバル標準手順策定への取り組みも示す.その上で,上流プロセスの整備・体系化に対する組織としてのメリットを考察する.

1.はじめに

 近年のシステム開発では,顧客ニーズの多様化,開発スケジュールの短期化,そして日々進化する技術トレンドといったさまざまな外的・内的な要因を考慮しつつプロジェクトを進めていくことが求められる.以前のような人が行っていた既存業務の自動化(システムによる手作業の置き換え)といった目的のシステム開発のプロジェクトは減少しているなかで,システムに求められる要求の内容も,ビジネスプロセスの変革や経営サポート・意思決定支援などのようにきわめて高度で複雑なものに変わってきている.

 何をシステム化するのか(システムの要求)を定義するためには,本来であれば何のためにシステムを作るのか(システムの目的)が明確化されていなければならない.しかしながら,システムに求められる内容が高度化・複雑化してくると,システムを利用するユーザ自身もシステムを活用して何を実現したいのかを明確に定義することが難しくなる.そうしてシステムの目的が不明確であると,システムの要求に漏れや誤りが発生する可能性が出てくる.結果として,後続のプロセスで欠陥が発生するリスクが高まることになる.このような背景を受けて,システム開発における上流プロセスの重要性の認識は急速に高まってきている.

 NTTデータ[1] では,システム開発のための総合ソリューションとして「TERASOLUNA ( テラソルナ) 」 ☆1を提供している[2].TERASOLUNAは,開発手順(ドキュメント類),フレームワークと開発支援ツール(開発環境),開発をバックアップするサポート(人的リソース)の3 つの内容から構成されるソリューションの総称である.2003 年に最初のフレームワークが誕生して以来,NTTデータにおける数多くのシステム開発を通じて獲得・蓄積されたノウハウや知見に基づき,改善・拡張が続けられている.

☆1 「Terasoluna/ テラソルナ」は日本および中国における株式会社NTT データの登録商標です.