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2.1.2 タスク2:「課題の抽出」

 課題の抽出では,アンケート,インタビュー,ヘルプデスクに寄せられた問合せ内容などを入力として行う.その上で,以下の2 つの観点で入力内容の精査を行う.

(1) 課題かどうか

 たとえば,問合せ窓口担当者が,「商品の配送状況が管理されていないから,顧客から問合せがあっても答えられない」という課題を挙げたとする.しかし,「商品の配送状況が管理されていないから」というのは,課題ではなく,解決策を想定している表現となっている.この場合は,「商品の配送状況を調べようがないから,顧客から問合せがあっても答えられない」とする.

(2) その課題が事実に反していないか

 課題の中には誤解や思い込みからくるものが含まれる可能性がある.抽出された課題に対しては定量的なデータなどを用いて,必ず裏付けがあることを確認する.

2.1.3 タスク3:「重要課題の識別」

 抽出した課題より,ステークホルダ間の課題の類似や対立を把握し,業務やシステムに対する重要な課題を識別する.重要な課題とは,対立関係が多く見える課題や掲示者が多い課題であり,解決することが難しいとされる課題である.このとき,ステークホルダの課題の関係を整理するために,図3に示すようなリッチピクチャを作成する.

図3●リッチピクチャの例
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 リッチピクチャは,ステークホルダが考えている状況を端的に1 枚の絵で表現したものである.1枚で収まりきる程度にステークホルダや意見を選択して記述することで,解決が強く望まれる課題を明確にできる.

 リッチピクチャはステークホルダの立ち位置と,各々の意見や主張の相互関係を表現できるため,業務やシステムを取り巻く状況を俯瞰的に観察することにも活用できる.このリッチピクチャにより,重要な課題とその関連性を把握する.また合わせて,最終的に導き出される解決の方向性や解決手段に対して,ステークホルダ分析の結果である重要課題が解決できるかを確認し,その妥当性の検証も行う.