PR

 さらに韓国のキャリアも総務省の調査結果を使って、「自社の料金制度は安くて品質は高い。サービス競争をしてきた結果である」と自画自賛し始めた。韓国のスマートフォンユーザーの間では、「韓国キャリアが総務省の調査結果を宣伝に使うのは、料金を値上げするためではないか」と心配する声も出始めている。

 韓国キャリア3社のスマートフォン料金を比較すると、最も安いのが月2万9700ウォン(約2970円)。これは、基本料3万4000ウォンから24カ月契約で7000ウォンを割引し、付加価値税10%を上乗せした金額だ。料金は3社とも同じだが、使える通話時間やデータ通信量には差がある。KTとLGユープラスは、音声通話160分、メール200通、データ通信750MBを使える。一方、加入者数トップのSKテレコムでは、音声通話120分、メール200通、データ通信550MBとなり、通話とデータが2社よりも若干劣る。

 これに端末代金が毎月1200~3500円ほど上乗せされる。韓国で人気の高いサムスン電子やLGエレクトロニクスのスマートフォン端末は、ほとんどが定価で8万~9万円もする。メーカーから代理店に「端末購入補助金」というのが出るので、定価通りに販売するわけでないが、同じキャリアの同じ端末でも代理店ごとに全て価格が違うのが韓国である。

 しかし総務省の調査結果通り、韓国のスマートフォン利用料金が、端末代を含めても7都市の中で最も安くなる日は近づいているのかもしれない。

 8月4日、韓国メディアは一斉に、LGユープラスが中国ファーウェイの最新スマートフォン「Honor 6」を韓国で販売するためのテストを行っていると報道した。発売日は未定で、テスト結果によっては発売できないかもしれないというが、ファーウェイのスマートフォンはサムスン電子のGALAXYシリーズにも負けない高性能ながら、値段は3分の1程度と世界市場でも人気の端末である。

 MVNO事業者も、中国のスマートフォンを直接輸入してユーザーに安くスマートフォンを提供しようと動き始めている。MVNOはキャリア3社からネットワークを借りて使うことで利用料を安く抑えた事業者で、韓国では全国の郵便局と一部コンビニで加入できる。

 MVNOは、今世界で話題の中国Xiaomi(小米科技)の端末を輸入しようとしている。Xiaomiは5.5インチの大画面なのに2万円以下などといった激安スマートフォンを製造するメーカーで、サムスン電子のライバルとも言われるメーカーだ(ITproの関連記事:中国スマホメーカーXiaomi、販売台数が急拡大)。

 総務省の調査は、調査結果とは裏腹に韓国内で「韓国のスマートフォン料金は高い」という議論を巻き起こした。総務省も、調査結果が韓国でここまで話題になるとは思わなかっただろう。

趙章恩(チョウ・チャンウン)
ITジャーナリスト
趙章恩  高校卒業まで東京で育ち、韓国ソウルの大学卒業後、ソウル在住。日本経済新聞「ネット時評」、西日本新聞、BCN、夕刊フジなどに連載。著書「韓国インターネットの技を盗め」(アスキー刊)「日本インターネットの収益モデルを脱がせ」(韓国ドナン出版)
 「講演などで日韓を行き交う楽しい日々を送ってます。韓国情報通信部と傘下機関・IT企業の対日戦略リサーチ&コンサルティング、日韓IT視察を企画運営するJ&JNETWORKの代表であり、韓国で唯一、日本とのITビジネス交流を図る非営利団体JIBC(Japan Internet Buisiness Community)の会長を務めています。日韓両国で生活した経験を活かし、韓日のIT事情を比較解説する講師として、韓国の色んな情報を分りやすく伝えるジャーナリストとしてもっともっと活躍したいです。
 韓国はいつも活気溢れ、競争が激しい社会なので変化も早く、2~3ヵ月もすると街の表情ががらっと変わってしまいます。こんな話をするとなんだかきつそうな国~と思われがちですが、世話好きな人が多く、電車やバスでは席を譲り合い、かばんを持ってくれる人も多く、マンションに住みながらもおいしいものが手に入ればおすそ分けするのが当たり前の人情の街です。みなさん、遊びに来てください!」