MicrosoftがAndroidタブレット向けOfficeを正式リリースした。また、Windows 10 Technical Preview向けに、タッチ対応のOfficeアプリもプレビューリリースされた。iOS版は、すでにユニバーサルアプリとしてリリースされている。これで、現在、一般的に使われているプラットフォームにおいて、もっとも遅れているのはAndroidスマートフォンということになるが、そこへの対応も時間の問題だろう。
興味深いのは、Androidタブレット向けOfficeが、11型を超えるスクリーンに未対応であるという点だ。手元の環境では、10.5型スクリーンのSamsung GALAXY Tab S 10.5にはインストールできるのに、13.3型スクリーンのLenovo YOGA Tablet 2 Proは未対応で、インストールすることができない。つまり、大きなスクリーンのタブレットではOffieを使わせないというようにとれる。Microsoftとしては、11型を超えるようなスクリーンのハードウェアでOfficeを使われてしまうと、いわゆる本家であるWindows版のOfficeの立場が脅かされてしまうからと、そんな迷いがあることの憶測もしたくなるというものだ。
もっとも、Officeは、Office Onlineがあって、ブラウザを使えばそれで事が足りるシチュエーションも少なくない。現在、Chrome拡張としてリリースされているOfficeアプリはOffice Onlineそのものだといってもいい。
OfficeがBYODのキラーアプリになる
いずれにしても、仕事に欠かせないインフラといってもいいMicrosoft Officeが、あらゆる環境で使えるようになった。このことは、BYODのトレンドにもさまざまな影響を与えることにもなるだろう。誰もが当たり前のように自分の私物デバイスでMicrosoft純正Officeアプリを使えるようになるのだ。エンドユーザーからのBYOD解禁の声も高まるだろう。その一方で、Windows版のOfficeでマクロを駆使しているような職場では、BYODを解禁したら予期せぬトラブルが起こる可能性もある。
エンドユーザーには、同じOfficeでも違うのだという言い訳は通用しないかもしれない。あらゆることを想定しながらITマネジメントの改革を進めなければならない。このことは覚悟しておいたほうがいい。