来年7月のWindows Server 2003のサポート終了に向けて、日本マイクロソフトが本格的な移行支援策の実施を表明した。多くのパートナーと連携し、営業日にして残り250日を切っている終了日までに、できるだけ早く最新の安定したプラットフォームへと誘導していくという。
同社ではWindows XPやOffice 2003のサポート終了から学んだとしているが、これらの製品が、実質的には後継製品への移行だけがアピールされていたのに対し、今回はアプローチがちょっと異なる。というのも、移行先の環境が多様化していることをマイクロソフト自身が認めているからだ。
実質的な移行先となる後継製品はWindows Server 2012 R2だが、そのほかにも、Microsoft Azure、Office 365、Dynamicsなど多岐にわたる選択肢がある。
何もかも禁止では社内の利用者は待ってくれない
マイクロソフトはこうもいっている。
「敵は本能寺にあり」。
エンドユーザーが勝手にサーバーをたててしまう「シャドーIT」が目立つようになっているのに加え、BYODによって、いろいろなデバイスで、いろいろな場所からアクセスされる。もう、何もかも禁止するというポリシーで企業ITを管理するのでは対策にならなくなってきているという。つまり、悪意のある第三者としての攻撃側が待ってくれないのと同じように、利用する側も待ってはくれないのだ。だからこそ、3年後、5年後をイメージして、今始めることができることから実施していってほしいという。
そして、そのために、適材適所のハイブリッド環境を検討し、クラウドかオンプレミスかといったワークロードごとに異なる移行先を考えるべきだという。サポート終了を前向きにとらえ、運用性が高く、コスト効率も高いシステムに移行できるチャンスとしてのハイブリッド環境だ。だが、システムの移行を考えると同時に、システム管理のあり方そのものを再考しなければなるまい。まさに「敵は本能寺」、システム管理者にとって敵は自分自身の中にいる。3日天下にならないように、それを進める覚悟が必要だ。
フリーランスライター