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  前回はICT企業の老化を加速するパラダイムシフトについて解説しました。パラダイムの変化は、これまで培ってきた資産を全て「負の遺産」に変えてしまいます。

 これはもちろん全ての企業に当てはまることではありますが、特にICT企業では、外部環境や技術の変化が圧倒的に速く、パラダイムシフトも劇的です。

 さらに会社の資産が工場のラインや製品そのものといった「目に見える」ものではなく、主に直接目に見えない知的資産、例えば特定技術に関する知識やスキル、あるいは会社としての方法論やノウハウ、サービスや人的なネットワークです。この点はむしろ一般の企業よりも「厄介」です。なぜなら、そのような知的資産が「時代遅れ」になっていることに、目に見えるものに比べて気が付きにくいからです。

 今回からそうしたパラダイムシフトが組織や個人にどのような影響を与えるかを一つずつ見ていきます。今回は、クラウド化に関連する変化がもたらすパラダイムシフトです。

オンプレミスからクラウド移行自体がパラダイムシフト

 前回挙げた項目のうち、以下の3項目が直接的にクラウド化と紐づいて必然的に起こると考えられるパラダイムシフトです。

・オンプレミスからクラウドへ

 クラウド化の流れというのは単に技術的な変化だけでなく、社内の情報システム部門の位置付けや役割の抜本的な変化といった点で、組織的に大きなインパクトを持ちます。パブリッククラウドかプライベートクラウドかによっても異なりますが、いずれにしても多かれ少なかれ、物理的な場所が統合されて拠点がなくなっていきます。

 さらに、管理主体も必然的に自社からクラウドベンダーにシフトし、「自社システムの『お守り』をいかに効率的にやるか?」という従来の情報システム部の役割は、経営視点で全社をグローバルに捉えて、何の業務をクラウドに出して何をオンプレミスに残すかといった俯瞰的な切り分けなど、「そもそも何をやるべきか?」という企画業務の方向に移行していくことは間違いありません。