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 このところ、医療や健康などヘルスケア用途に使われるスマートフォン用のアプリが、相次いで登場している。目立つのは薬局向けのアプリで、異業種からの参入組もあって、にぎやかな様相を示している。

 まず、ソニーとパナソニックが、電子お薬手帳ビジネスに乗り出している(関連記事:ソニーとパナソニックが電子お薬手帳を展開、異分野参入の狙いとは?)。ソニーは、クラウドサーバーを利用した「電子お薬手帳サービスharmo(ハルモ)」を、2013年秋に神奈川県川崎市全域で試験運用を開始した。2014年7月からは試験地域を横浜市内の4区(青葉区、都筑区、鶴見区、港北区)に拡大した。パナソニックヘルスケアは7月15日に、電子お薬手帳を運用できるサービスを、「ヘルスケア手帳」の名称で調剤薬局に向けて発売した。また調剤薬局では、アイセイ薬局が、2014年10月末から全297店舗(6月末時点の数)でスマートフォン用お薬手帳アプリ「おくすりPASS」を運用する(関連記事:電子化したスマホお薬手帳、アイセイが全国297店舗導入へ)。

 こうしたアプリの特徴は、クラウド技術などITを活用して、服用履歴などの情報を薬剤師と顧客(ユーザー)が共有できること。薬局でもらった調剤明細書はなくしがちだが、アプリなら過去の服薬情報を自動的に記録し、アラート機能で薬の飲み忘れを防いでくれる。将来は、ユーザーのデータを蓄積し、副作用情報など抽出してフィードバックすることを考えている企業もある。

 薬局以外にも、アプリ活用は広がっている。母子手帳をスマホアプリ化する事業を始めたのが、博報堂DYメディアパートナーズとNTTドコモの2社。名称は「妊婦手帳」で、NTT東日本関東病院と共同で実証実験を実施。2013年12月から、iPhoneとAndroid向けに実際にアプリを提供している。今年6月現在では、アプリを導入した医療機関は40件に達し、全国で5万件以上ダウンロードされているという。

 海の向こうでは、アップルが健康アプリに熱心に取り組んでいる。今年6月に、次期OSであるiOS8とそこに組み込まれるアプリ「Health」を発表(関連記事:写真で見るアップル基調講演、OS XとiOS 8はここが変わった)。消費カロリー量や睡眠時間などウエアラブルや専用機器で計測されたデータを表示する機能や、氏名、既往症、特記事項、アレルギー、服用薬、緊急時の連絡先など利用者の個人情報を格納する機能などを提供する。後者は、緊急時に医師が閲覧することで、簡易カルテとして機能する。既に、有名医療機関と連携して、アプリの実証実験を進めている。

 こうした動きは、国内外でますます加速していきそうだ(関連記事:Google、健康管理サービス「Google Fit」をGoogle I/Oで発表か)。ヘルスケア分野は、IT企業の次の競争市場になりそうだと予想する記事が、多くのメディアに掲載されている。ウエアラブル機器でモニターした健康データを、アプリ経由でサーバーに蓄積し、それを利用者のかかりつけ医療機関が活用する、といった医療連携的なデータ活用が実現する日は、案外近いかもしれない。