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 コンピュータウイルスが猛威を振るっている現在、PCユーザーのほとんどは、ウイルス対策ソフト(セキュリティソフト)を利用しているだろう。このためユーザーの関心は高く、新バージョンのリリースを報じる記事はよく読まれた。ベンダーも新バージョンの発表会を毎年大々的に開催していた。

 ところがここ数年、発表会を取りやめるベンダーが増えている。新バージョンが出ても、プレスリリースを配信するだけで済ませている。発表会を積極的に開催してきたように思えるトレンドマイクロも、今年はプレスリリースの配信にとどめた。今後については未定だが、今年については発表会を開催しないという(関連記事:トレンドマイクロ、ウイルスバスター最新版で脆弱性チェック機能を搭載)。

 発表会を開催しない理由の一つは、発表会を開いても、話すことがなくなったためだと思う。必要と思われる機能はほとんど全て実装しているので、新たに追加される機能は少ないし、他社製品との違いも小さくなっている。

 以前は話すことがいろいろあった。10年ほど前は、ウイルスの検出率や検出メカニズムの優位性について、各社とも熱く語っていたと記憶している。その後、検出率で差異化を図ることが難しくなると、ウイルス対策以外の付加機能の多さで競った。

 機能数で差がつかなくなると、ライセンス形態やマルチプラットフォーム対応が訴求ポイントとなった。例えば、1製品で3台までインストールできるようにしたり、Mac OS版やAndroid版なども用意したりした。

 ここ1~2年は、それらも同じような状況になり、新製品発表会であるにもかかわらず、製品についてはあまり触れずに、「ウイルスは危ないですよ」といった“そもそも論”を解説していたベンダーもあった。ウイルス対策ソフト市場が成熟したということなのだろう。ただ、10年以上前から発表会に毎年参加していた筆者としては、年中行事が一つ減って、若干さびしい気もする。