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湯野川:アニメーションは作るのが大変でお金もかかりますから、他社のサービスではほとんど見られません。でもすららでは、こだわりを持ってアニメーションを作り込んでいます。またドリルには、学習者の理解度に応じて適切な問題を出す仕組みを盛り込んでいます。いわゆる「アダプティブ・ラーニング(適応学習)」です。

山内:それは興味深いですね。コンテンツの特徴については後ほどじっくりうかがうとして、まずはサービス立ち上げの経緯をお聞かせいただけますか。そもそも、湯野川さんはどうしてこうしたサービスを開発しようと思われたのでしょう。

山内祐平 東京大学大学院情報学環教授
山内祐平 東京大学大学院情報学環教授
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焼き肉屋のプロデューサーが、教育事業を始めた理由

湯野川:私は元々、ベンチャー・リンクという会社にいました。フランチャイズを展開する企業を支援する、新規事業担当役員を務めていました。中でも注力していたのが外食産業で、「牛角」や「銀のさら」などの支援を手掛けました。

 ですから教育は全くの専門外で、正直言って「辛気くさい世界だな」と思っていました(笑)。おいしい焼き肉屋さんをプロデュースする方が楽しいと。

山内:なんと、そうだったんですか(笑)。

湯野川:はい。でもあるとき、個別指導塾のチェーンの支援を手掛けることになりました。塾を支援するなら、まずは自分たちで塾を経営してみないと分からないということになり、会社としてそのチェーンに加盟して、私のチームで一から塾を立ち上げました。

 試行錯誤して、生徒が集まる方法は大体分かりました。でも、一つうまくいかないことがあったんですね。「成績を上げること」です。

 事業の立ち上げでは、常にKPI(重要業績評価指標)を用意して、成果を分析するというのが当たり前です。教育事業でも同じことをしたのですが、塾だったら何より重要な評価指標は「成績」や「学力」ですよね。でも、その点で統計的に見て有意義な成果が上がりませんでした。

 それがなぜなのか考えて、「構造的な問題ではないか」との結論に至りました。まず、講師の問題。個別指導塾で講師を務めるのはアルバイトの学生が多いので、サービス品質の安定化が難しいんですね。