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 企業に求められるマイナンバー対応は、着手してみて初めて大変さに気付く関係者が多い。今回は、これまでの取材で得た、マイナンバー対応において企業の経営判断が必要となる五つのポイントを紹介する。

個人の立場で考えるマイナンバー対応

 第1回で述べた通り、企業に求められるマイナンバー対応は、単なる業務システムの改修だけでは終わらない。マイナンバー対応が必要になる書類に番号を記載する枠を設けるだけでなく、業務フローの見直しが不可欠だ。なぜ、見直しが必要になるのか、その理由はマイナンバーを利用される個人としての立場で考えると分かりやすい。

 まずは、マイナンバー制度導入の背景をまとめておこう。大量の個人データを効率良く処理する手段としては、一人ひとりに固有の識別子(ID)を振って、様々なデータをひも付ける方法が考えられる。このIDは、利用期間が長く、利用範囲が広いほど、ひも付けられるデータが増える。

 一つのIDで様々な情報を引き出せるようになるため利便性は向上するものの、ひとたび不正利用されると、氏名や住所のようないわゆる「個人情報」よりもプライバシーへの影響が大きくなる。とはいえ、データ保護ばかりを気にしてIDにひも付けたデータを利用しないのは本末転倒だ。

 マイナンバー制度は、個人情報を保護しつつ利用しやすくするための新しい仕組みだ。一人ひとりに異なるIDを発行して、原則として、個人はこのIDを一生使い続ける。

 内閣官房はマイナンバー制度について「国民の所得状況等が把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止、さらに本当に困っている方へのきめ細かな支援が可能」と説明している。マイナンバーを導入することにより、まずは税務と社会保障、災害対策の分野で、国や地方公共団体が連携して、手続きを簡素化したり、本人や家族が受けられるサービスを知らせられるようにする、としている。