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 りそなホールディングス(HD)は2014年11月、情報系システムをオープン化し稼働させた。発注者と受注者のトップ層が1枚岩となって事前検討に1年間を費やし、移行方針を決定。旧システムの資産を棚卸しして半減させ、終盤の難局に苦しみながらもプロジェクトを完遂した。

 「儲けを生んだり顧客満足度を高めたりするための情報分析・活用の土台が完成した」。りそなHDで新サービス戦略の担当とIT企画の副担当を務める白鳥哲也執行役は、約20億円と延べ600人を投じたオープン化の成果をこう評価する。

 2015年1月13日に同社は「オムニチャネル戦略室」を発足。「オムニチャネルを始めるにも新サービスを開発するにも、データ分析によるマーケティングを並行して進めなければいけない時代。新システムは必ずプラスになる」と白鳥執行役は意気込む。

 日々発生する大量の取引を各種の勘定元帳に正確に蓄積する勘定系システムが守りのシステムなら、その膨大なデータを各拠点の行員が自由に閲覧・分析する情報系システムは攻めのシステムだ。だが、りそなHD傘下のりそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の3行が、600拠点のパソコン3万台で使う情報系システムは、従来、基盤がメインフレームであることが大きな足かせになっていた。「一つの機能追加に数カ月を要したり、処理の応答に20分掛かったりすることもあった。市販の分析ソフトを活用することも難しかった」(野口幹夫IT企画部長)。

 旧システムの日本IBM製メインフレームの更改時期は2015年1月。これを見据え、白鳥執行役は2011年ごろに、情報系システム刷新の構想を練り始めた。

1年かけて事前検討

 プロジェクト成功のポイントは、開始前の取り組みにあった(図1)。委託先を含むマネジャー陣が1年間にわたり、月に1度は顔をそろえ、新システムのあるべき姿や移行方針、導入するソフトなどを議論・合意し、移行プロジェクトをスムーズに進行させる準備を重ねた。「ノウハウのあるベテランが自然に集まってきた」と白鳥執行役は話す。この事件検討での合意が、「結果として安定したプロジェクト運営につながった」(亀岡修IT企画部グループリーダー)。

図1●りそなホールディングスが取り組んだ、情報系システムのオープン化プロジェクトのスケジュール
図1●りそなホールディングスが取り組んだ、情報系システムのオープン化プロジェクトのスケジュール
三つの工夫で、納期厳守のプロジェクトを乗り切る
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