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 「25年間、追加開発を繰り返してきた結果、ひどいスパゲティ状態。保守性は下がり、システムの詳細を把握できる担当者も少なくなっていた」――。医薬品卸最大手であるメディセオの尾崎潔 基幹システム開発部部長は振り返る。2015年7月、同社は基幹システムの全面刷新を終え、メインフレームの利用を停止した。

 刷新したのは、販売業務での売上管理や請求管理、購買業務の仕入管理や支払管理を担う商流システムだ(図1)。新たに「Sygma」を構築し、四半世紀にわたり使い続けてきた旧システムから脱却した。当初はパッケージソフトの採用を検討したが、業界固有の商習慣に対応するには不向きと判断した。

図1 メディセオの商流システム刷新プロジェクトの概要
25年使い続けてきた基幹システムを全面刷新
図1 メディセオの商流システム刷新プロジェクトの概要
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28億円強をかけて全面刷新

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 メディパルホールディングスの中核会社であるメディセオは医薬品卸の国内最大手だ。医薬品のほか、医療機器の卸売りなどを手掛ける。2015年3月期の売上高は1兆9388億円、従業員数は5600人に上る。約13万の医療機関を顧客に持ち、取り扱う明細データは月平均2000万件に達する。

 会社方針として脱メインフレームを掲げ、業務システムのオープン化を順次進めてきた。最初に手をつけたのは販売・物流システム。自社開発で再構築した。ところがバックヤード業務を担う商流システムは、日本IBM製のメインフレームで稼働する25年前に構築した古いシステムのままだった。

 今回メディセオは、28億円強をかけて商流システムの全面刷新を実施。オープン系システムへの移行を果たした。新システムは、日本IBMのブレードサーバーを採用する。Sygmaの開発に費やした期間は約3年、約2300人月の工数を投じた。

 大規模投資に踏み切ったかいはあった。システム維持コストは年間で約1億6000万円圧縮できた。670種類に及んだ帳票類は、業務の全面見直しで56まで減らした。実に92%を無くしたわけだ。印刷枚数は1年間で約1120万枚の削減だ。

 システム面ではあえて自社開発を選択したうえで、バッチ処理の高速化を実現するため工夫を凝らした。システム刷新に合わせて業務改善にも着手。特に帳票削減では顕著な効果が出た。

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