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 「クラウドは大きなイノベーションをもたらしているといわれるが、私はむしろ、コンピューティングが水や電力と同じような存在になったということだと思う。この近代的なアーキテクチャーは、永遠に続くのではないか」――。米オラクルのラリー・エリソン取締役会経営執行役会長兼CTOは2015年4月8日、新経済連盟主催のイベント「新経済サミット2015」でこう語った。同連盟の代表理事を務める、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長との対談形式で行われた基調講演において、クラウドの意義や同社の戦略について話した(写真1)。

写真1●米オラクルのラリー・エリソン取締役会経営執行役会長兼CTO(右)と、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長
写真1●米オラクルのラリー・エリソン取締役会経営執行役会長兼CTO(右)と、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長
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 エリソン氏は、コンピュータのアーキテクチャーがようやく成熟段階に達したと話す。引き合いに出したのは、水道や電力ネットワーク。いずれも複雑な仕組みで実現されており、多くの技術が用いられている。だがそれらは消費者に隠されており、蛇口をひねるというシンプルな動作だけで水を出せる。

 ITに目を向けると、今消費者の手元にあるのは、スマートフォンやタブレットといったシンプルなデバイスだ。そしてコンピューティングは、必要に応じてクラウドから購入できるようになっている。「データセンターを作ったりサーバーを買ったりする必要がない。従量課金でコンピューティングを調達できる。企業はアプリを作り、消費者を獲得すればいい」(エリソン氏)。電力や水道と同じように、このアーキテクチャーは長く続くものになるのではないかと展望した。

既存のアプリをそのままクラウドに

 クラウド分野におけるオラクルの戦略についても言及した。同社の強みは、OracleデータベースやJavaなど、「コモディティー化されていないものを提供している」(エリソン氏)ことという。「Amazon Web Services(AWS)」や「Windows Azure」が手掛けるIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)はコモディティー化が進み、価格も下がっている。「Azureから調達してもAWSから調達しても、あまり変わらない。選択に影響するのは、価格や信頼性、セキュリティーなどだ」(エリソン氏)。