ニフティなどの出身者らが立ち上げたベンチャー企業のグートが、低価格のスマートフォンメーカーと連携してスマートフォンのデザインやプラットフォームを手掛けるという、従来とは異なるアプローチのビジネスを展開しようとしている。ハードウエアやアプリを自身で直接手掛けないスマートフォンビジネスが出てきている理由はどこにあるのだろうか。
日本発のデザインやサービスを提供
2016年1月18日、グートというベンチャー企業が、日本で「ARATAS」というプロダクトの本格展開に関する発表会を実施した。グートは元ニフティの横地俊哉氏がCEOを務めるなど、国内外のインターネット・通信関連企業に在籍した経験のある人物が多く参加している企業で、シンガポールに本社を置いている。
このARATASとは、主に海外で、数千〜1万円前後で販売されているローエンドの低価格スマートフォンを手掛ける企業に向けた、日本発のプロダクトである。「ARATAS DEVICE」「ARATAS UI」「ARATAS.NET」といった3つのプロダクトによって構成されており、これらを導入することでハードとユーザーインターフェース、サービスが一体となったサービスを実現できるとしている。
ARATAS DEVICEは、日本のクリエイターらがデザインを手掛けた低価格スマートフォンとなる。グートは直接ハードを製造せず、あくまでデザインを担当する形となる。まずは中国のKingtech Mobile社がパートナーとなり、スマートフォン「KAZE01」「KAZE02」をインドや台湾、マレーシアなどいくつかの市場に投入する予定で、30万台以上を販売する計画だという(写真1)。
ARATAS UIは、やはり日本のクリエイターが手掛ける独自のユーザーインターフェース。壁紙やアイコン、着信音などはクリエイターがデザインしたものが提供され、先のARATAS DEVICEにも、ARATAS UIが搭載されていくとのことだ。