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 前回扱った「業績に関する分析」は、いわば過去に起こったことの原因を探る分析でした。今回は、これとは逆のデータ分析、つまり未来を予測する分析について解説します。

 未来を予測する分析には大きく2種類あります。一つは需要の予測、もう一つは、売り上げ向上策などの施策の効果予測です。

 特に今回は、業績アップなどの目に見える成果に結びつきやすい後者の予測、すなわち「新しい施策を検証し、効果を予測する分析」のコツを重点的に解説します。

分析よりもリードタイム短縮

 筆者の経験でいえば、二つある未来予測のうち、前者の「需要の予測」は、単独では労多くして成果に結びつきにくい印象があります。

 例えば「ある1日間、スーパーでスイカがどれくらい売れるか」をデータで予測することを考えてみます。

 この場合、需要を決める非常に重要なファクターになるのが、当日の天気です。晴れで暑ければスイカが売れ、雨で肌寒ければ売れません。

 ですが、現在の天気予報技術では、3日後の天気ですら十分な精度で予測できません。当日の天気を前提に優れた需要予測モデル式ができたとしても、肝心の天気予報の精度が悪ければ、需要は予測できません。

 もちろん当日の朝になれば、天気予報は高い精度で当たります。ですが、スイカの発注や配送にかかる時間(リードタイム)を考えると、当日に予測できても意味がないでしょう。

 では、どうすればいいか。需要を正確に予測したい場合、モデルの精緻化よりも、リードタイムの短縮の方がはるかに効果がある場合が多いものです。リードタイムが短ければ、難しい予測手法を使わなくても、そこそこの精度で役に立つ結果が得られるためです。

 以前お付き合いがあったアパレルメーカーの社長は、リードタイムの短縮による需要予測精度の向上を、競馬に例えていました。「うちは第4コーナーで馬券を買っているようなものだから、需要予測が当たるんだ」とか。