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 地方銀行大手の静岡銀行が、勘定系システムの新規開発に挑んでいる。Linuxで動作するこのシステムの稼働予定は2017年。成功すれば、三重県・百五銀行と日本ユニシスが2007年にWindowsで動作する勘定系システムを稼働させて以来、地銀として10年ぶりの新勘定系システムとなる(図1、2、3)。

図1●全国105行の地方銀行とベンダーの勢力図(東日本)
図1●全国105行の地方銀行とベンダーの勢力図(東日本)
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図2●全国105行の地方銀行とベンダーの勢力図(西日本)
図2●全国105行の地方銀行とベンダーの勢力図(西日本)
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図3●勘定系システムのベンダー
図3●勘定系システムのベンダー
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 勘定系システムには膨大な開発費用が掛かる。日立製作所との共同開発とし、新システムを基にしたパッケージを他行に売り込む日立と開発費を分担するとはいえ、静岡銀単独での投資額は200億円強(本誌推定)に上る。

 それだけの巨額を投じたのはなぜか。最大の狙いは、新しい金融商品の投入に要するシステム改修の期間を大幅に短縮することだ。

 静岡銀は、規制緩和で販売できるようになった投資信託や生命保険、損害保険といった外部商品や、それらと従来の銀行商品を組み合わせた複合商品に力を入れている。同行の小林義典経営企画部IT企画グループグループ長は「(定期預金や住宅ローンといった)従来の銀行商品は差異化が難しい。そこで外部の商品などと組み合わせた商品・サービスを拡充していくのが大きな方針だ」と語る。

 しかし、新商品を投入する上で、従来の勘定系システムが足かせになっていた。追加開発を繰り返してきたため、「機能が上手く分離できておらず、必要な改修をするたびに広範なモジュールに影響が出て、非常に時間が掛かる」(小林グループ長)。

 そこで、勘定系システム内に重複して存在する類似の機能を集約するなどして、保守開発の影響範囲を局所化する。これにより、開発工数と開発期間を短縮し、新商品の迅速な投入を可能にする考えである。