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[次世代共同化]周辺システムや店舗も対象に

 地銀のトップランナーが攻めのシステム投資に舵を切る一方で、守りのシステム投資をさらに進化させる地銀もある。

 傘下に山口銀行、北九州銀行、広島県のもみじ銀行を抱える山口フィナンシャルグループ(YMFG)が進めるシステム共同化は広範囲にわたる(図1)。「経営統合してもシステムは別というケースが少なくないようだが、それでは十分な効果が出ない」と、YMFGの梅本取締役は話す。

図1●山口フィナンシャルグループでのシステム統合の範囲
図1●山口フィナンシャルグループでのシステム統合の範囲
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 2006年に山口銀ともみじ銀(当時はもみじホールディングス)の経営統合で発足したYMFGは、2011年に北九州銀を新設した。同社は2段階でのシステム共同化を完遂し、「3行分のシステムの維持コストを、将来的には元々の2行分以下に抑える」(梅本取締役)ことを狙う。

写真1●山口フィナンシャルグループの梅本裕英取締役
写真1●山口フィナンシャルグループの梅本裕英取締役
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 YMFGのシステム共同化の第1段階は、勘定系システムを中心とする基幹系システムが対象だ。2010年に山口銀、2011年に北九州銀が共同利用型システム「Chance」に移行し、2012年1月にもみじ銀が移行を完了。この時点で、グループ傘下3行の基幹系システム共同化が完成した。

 一般に地銀では、この基幹系システムの共同化にとどまるケースが多い。しかしYMFGは、それを超える第2段階として、グループ内の周辺システムの共同化に着手した。いわば、次世代の共同化だ。

 2013年10月にChanceと各行の営業店を結ぶネットワークおよびIPアドレス体系を統合。2014年3月にはATM(現金自動預け払い機)のシングルベンダー化を断行し、ATM端末のソフトウエアも共通化した。同年5月には、山口県と広島県に保有していたデータセンターを山口県・下関市に集約している。

 現在、取り組んでいるのが、融資支援や格付けといった融資関連システムの共同化である。2016年5月をめどに、3行でデータベースは分けつつ、アプリケーションを統一する。今後1~2年で更改時期を迎える営業店端末も刷新・統合する計画だ。