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ゲーム会社のgumiが上場直後に業績の下方修正を出したり、従業員の早期退職制度を打ち出したりしたことで、市場の信頼を損ねました。これはスタートアップの環境に影響を与えそうでしょうか。

撮影:陶山 勉
撮影:陶山 勉

藤田 結論から言えば、影響は少ないでしょう。なぜかというと、スタートアップの環境が崩れるのはいつの日も決まっているからです。つまり、株式市場が崩れるときです。たまたま、そこに今回のようなトラブルが重なってしまうと、スケープゴートになるだけの話です。「市場を冷やした原因はgumiにある」といった具合に。市場というのはもっと〝ゲンキン〞です。gumiの株価もその後見ていると10%上がったりしています。

 スタートアップ企業の上場が相次ぐことで、ネットバブルの様相を呈しているのは確かです。そして僕は絶対に崩壊すると思います。まったく利益の見込みもないのにあれだけ巨額の調達をすれば、辻つまが合うわけがない。

 ただ、バブルが崩壊する引き金は日経平均株価であり、世界経済だったりといったもっと大きな力で引き起こされます。確かに、起業家にとって今は資金を調達する絶好の機会でしょうし、辻つまさえ合えば急成長するチャンスでもあります。ある程度、トレンドに乗った方がよいでしょう。ただし、バブルによる評価を実力値と本気で勘違いすると、すぐに消える運命にあります。長い期間、この市場を見ていてそういう会社はすべて消えています。

 なぜ自信を持って言えるかというと、僕らも市場から225億円を調達した経験があるからです。ROI(投資対効果)が10%としても22億円の最終利益を出さなければならない。当社の売り上げがまだ5億円しかなかったときで、途方に暮れました。それがどれだけ大変なことか分からないでしょう。

藤田さん自身、過去10年間の投資で400億円以上の利益を上げています。企業への投資時にどこを見ているのでしょうか。

藤田 まず、経営者。そして、事業を展開しているジャンルです。経営者が良くて、事業のジャンルが良ければいい。たまに経営者が素晴らしくても袋小路のジャンルで勝負をかけているケースがある。マーケットがそれ以上大きくならず、ピボット(注:事業内容の転換)もしづらく、横にシナジーが効きそうなジャンルもないケースです。専門業界に特化したスタートアップに多いですね。

 僕が好きなタイプの経営者は志が高い人です。でかいことを考えていて、でかいことを言う。しかし、やっている事業は堅実で、現実と理想とのギャップを埋めようとしている人です。