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 「情報技術(IT)を活用した経営革新に燃えるキーパーソンが一堂に介して議論する場は、とても刺激的」「異なる会社や業界の生々しい話が聞けて、視野が広がる」――。これは、日経BP社が2015年4月21日に開催したイベント「日経ITイノベーターズ Executive Summit ZERO」の参加者の感想である。同イベントには、著名企業のCIO(最高情報責任者)やシステム部長、CMO(最高マーケティング責任者)、データサイエンティスト、経営企画部門長、デジタル戦略部長など、ITを駆使して改革を推進するリーダーが約60人集結した。(前編はこちら

 木村昌平氏はリーダーシップ論のほか、IT進化の本質についても持論を述べた。

 IT進化の本質は「Communication」「Knowledge」「Integration」の三つだと主張。Communicationは関係性のことを指す。「社会、国、企業、家族など、全ては関係性で成り立っている。この関係性が革命的に変化するのがIT進化の本質の一つ」(木村氏)。

 Knowledgeは知見のこと。「ビッグデータと呼ばれる、巨大で複雑、かつ異質なデータ集合を分析することで、従来見えなかった実態や兆候が見えるようになる。ただし、データ分析には注意すべき点がある。分析されたデータを“衆愚”ではなく、未来に向けた新たな知見とするには、社会や世界、未来に対して善なる見方ができる『真摯な心』と『強い志』が必要だ」。木村氏はこう語る。

 同じ調査データであったとしても、人間の解釈の仕方が異なればアクションは全く違ったものになる。そのことを示す古典的な営業の教訓を、木村氏は例示した。競合する靴メーカーA社とB社があった。ある南国の島国に、A社もB社も進出しようとした。ところが島民はみな裸足で生活していた。A社の営業担当者はその光景をみて「この国に靴のニーズはない」と判断。本社に「ミナハダシ スグカエル(全島民が裸足のため、私は帰国する)」と電報を打った。

 一方B社の営業担当者は、「この国は島民全員が潜在顧客だ」と考えた。本社に送った電報は「ミナハダシ スグオクレ(全島民が裸足のため、本社にある靴の在庫をすぐに送ってほしい)」だった。この例えが示すように「データの見方によって、真逆の判断にいたることがある」(木村氏)。