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 今回は、日本のBtoB企業のマーケティングが先進国に比べて「なぜここまで遅れてしまったのか?」を、マーケティング用語「SQL」「MQL」の説明と合わせて見ていきましょう。

米国と日本のマーケティングを比較してみると

 今、日本のBtoB(法人営業)マーケティングはまさに黎明期を迎えています。しかし世界有数の経済大国である日本がマーケティングに関しては先進国から大きく遅れている事実はあまり知られていません。マーケティングの発祥の地は米国ですが、その米国と比較するとBtoC(消費者向け)で10年、BtoB(法人向け)に至っては15年から20年は遅れていると言われています。では、具体的にどのように遅れているのでしょうか?

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 米国ではマーケティング部門は企業の中枢です。最も有能な人材を配置する最重要なコア(中枢)業務であり、数年前に半導体などの製造業に「工場を持たない経営(ファブレス)」という考え方が普及して、多くの企業がEMS(Electronics Manufacturing Service)と呼ばれる製造受託会社の活用に舵を切った時でも、研究開発や設計と共にマーケティング部門は「コア(中枢)」と位置づけて社内に残しています。また、日本にある外資系企業のマーケティングマネージャーのレポート先が日本法人の社長ではなく、本社のCMO(最高マーケティング責任者:Chief Marketing Officer)であることが多いのも、マーケティングが企業のコアであり、それゆえにレポートラインをグローバルで統一したいからなのです。

 トップマネージメントであるCEO(最高経営責任者:Chief Executive Officer)を輩出している部門を米国企業と日本企業で比較すると、日本は営業部門、技術部門、管理部門が大半を占めるのに対して、米国は圧倒的にマーケティング部門が多いのです。出身大学で、化学や工学で修士や博士号を取得しても、入社後はマーケティング部門でキャリアを積み、後にCEOになった人も少なくありません。GE(ゼネラル・エレクトリック)の中興の祖と言われるジャック・ウェルチも化学の博士号を持つエンジニアとしてGEに入社しましたが、当時の新規事業であったプラスチック部門のマーケティングを担当し、そこから事業部長、事業担当副社長、そして本社CEOへと階段を駆け上がって行った人です。