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 給油オンデマンドサービスの内容は、事業者によってそれぞれ少しずつ異なっている。毎週定期的に同じ場所に給油に来てくれるもの、サービスエリアならばどこでもオンデマンドで来てくれるものなどがある。ガソリンの減り具合をモニターしたり、ついでにタイヤの空気圧もチェックしてくれたり、車の窓を拭いてくれたりといった追加サービスを提供するところもある。また企業と契約して、会社の駐車場で従業員向けにサービスをするものもある。

 料金は会員制で会費に加えてガソリン代を支払うもの、あるいは毎回5ドルなどのサービス料を支払うものなどの種類がある。どの事業者もガソリン代自体は「その地域で最も安い価格に合わせる」としているところが多いようで、従来のガソリンスタンドとの正面からの競合をもくろんでいる。

 ガソリンスタンドは建設や運営に大きなコストがかかり、エネルギーの浪費にもなっている、というのが、給油オンデマンドサービス事業者の言い分。もう100年以上も続いているガソリンスタンドで給油するという習慣をディスラプト(破壊)することに臨んでいるわけだ。

 このような給油オンデマンドサービスが便利さと価格、そして安全性をうまく舵取りして、ビジネスとして成功できるのか。興味深いことである。

瀧口 範子(たきぐち のりこ)
フリーランスの編集者・ジャーナリスト。シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネス、建築・デザイン、文化、社会一般に関する記事を新聞、雑誌に幅広く寄稿する。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)、訳書に『ソフトウェアの達人たち: 認知科学からのアプローチ(テリー・ウィノグラード編著/Bringing Design to Software)』(ピアソンエデュケーション刊)、『ピーター・ライス自伝』(鹿島出版会・共訳))がある。上智大学外国学部ドイツ語学科卒業。1996-98 年にフルブライト奨学生として(ジャーナリスト・プログラム)、スタンフォード大学工学部コンピュータ・サイエンス学科にて客員研究員。