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 世の大企業のIT部門の仕事の中で、重要な位置を占めるのが「老朽化対応」です。個人的な感触ですが、仕事の7割くらいが、老朽化対応やその関連プロジェクトで忙殺されている大企業のIT部門は多いのではないでしょうか。

提供:123RF
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 老朽化対応とは、保守期限が切れる前にハードウエアを更新するためのプロジェクトです。ところが、単に古くなったハードを取り替えるだけなのに、老朽化対応プロジェクトに膨大な費用が掛かるケースが少なくありません。大企業の基幹システムだとおおむね取り替えるハードウエア機材調達額の数倍から下手すると10倍以上の総費用がかかります。

 例えば対象が大手金融機関の基幹系システムだったとしましょう。最近はハードウエアも安くなっていますから、1億円もあれば十分な性能の機材を調達できます。ところが老朽化プロジェクト全体の費用は、機材の10倍にあたる10億円を超えることもしばしばあります。どうしてこんなことになるのでしょうか。

 ハードが1億円で総コストが10億円と聞くと、初めて老朽化対応プロジェクトを経験するビジネス部門の責任者は大抵びっくりします。

「一体何を作るの?ぼくは何にも新しい機能はいらないって言ったじゃない。これまでと全く同じものでいいんだ。コピペにしてほしいんだけど。そうしたらハード買うだけでしょ」

 おっしゃる通りです。企業の基幹系業務システムに新しい機能など必要ありません。今も昔も同じように業務をしているシステムですから。でもだからこそハードを買うだけでは済まないのです。

「アマゾンで作ったら安くなるんでしょ。だったらみんなアマゾンにしてよ」