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 もどかしいやり取りに部下がしびれを切らしました。

 すっくと席を立ち、ホワイトボードの前に仁王立ちになると、図を書き込みながら日本語で矢継ぎ早に質問をします。対するCTO(最高技術責任者)も立ち上がりました。ホワイトボードに自分の説明を書き加えながら、韓国語で回答します。

提供=123RF
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 日本語と韓国語のやり取りなのですが、なぜか2人は理解しています。議論はどんどん熱を帯び、同席した通訳や私が入り込む余地などありません。私は固唾を飲んで見守っているしかありませんでした。

 この部下の名前はNくん。野村総合研究所(NRI)のエンジニアで私はこのとき以外にも、何度も窮地を助けられています。彼の流儀は徹底して自分のコードにこだわることです。

 窮地に陥った開発プロジェクトにレスキュー隊として参加すると、Nくんはまずソースコードの徹底的なチェックを始めます。膨大な量のソースコードをチェックして、頭の中で組み立て直し、作り直していくのです。

 Nくんには大勢の部下がいますが、プログラミングについては誰一人として彼にかなう人はいません。いつも素晴らしいスピードで私のリクエストを理解し、目の前からいなくなったかと思うと、しばらくしてうれしそうな顔でやって来ます。そのときにはプログラムがもう出来上がっているのです。

 2000年1月にNRIは、インターネット・コロケーション・サービスを世界で最初に手掛けた米エクソダス・コミュニケーションズとの事業提携を発表しました。NRIがエクソダスに売却したデータセンターを使い、共同でインターネット・コロケーション事業を行うという内容でした(関連記事:データセンター運営の全てを教えてくれたチャプター11企業)。