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 前回のコラムでは日本IBMが日本にコンピュータ業界を創り上げていったお話を書きました(関連記事: IBMが作った日本のIT業界構造を元IBM営業と語り合う)。

 IBMという企業は、まぎれもなく20世紀を代表する企業の一つです。20世紀の企業社会をリードしてきたのは、IBMのような大企業です。ニューヨーク証券取引所のダウ平均の構成銘柄に採用されている企業がそれです。日本も同じです。ソニーやパナソニックなど20世紀に大きな成功を挙げた大企業が今も経済界の中心に座っています。

(出所:123RF)
(出所:123RF)

 私も含め、今の20世紀型の社会人には、慣れ親しんだビジネスの成功ストーリー「黄金伝説」があると思います。ちなみに黄金伝説のもとの意味は中世ヨーロッパで流布した使徒・聖人伝のことです。

 20世紀型の黄金伝説のキーワードは「Know Who」と「Know How」の二つです。例えば、証券会社のスーパー営業は、誰(Who)が重要な顧客で、その顧客がどんなことを望んでいて、どうすれば(How)顧客の期待に応えられるかを知っています。SIベンダーの営業だってそう。重要顧客のキーパーソンと信頼関係があり、どうすればそのキーパーソンの要望を叶えられるかを知っている営業がビジネスを動かせます。

数億円規模の案件をゴルフで10件決めてくる

 先週も登場した元IBMの敏腕営業X氏から聞いた日本IBMの営業ヘッドのO氏のエピソードなどがその典型です。

 当時、業界でも他社への影響が大きい有力企業のことを日本IBMでは「ネームドアカウント」と呼んで特に重要視していました。O氏の下には10人ぐらいの部長級の部下がいたそうですが、営業の先頭に立つのはいつもO氏でした。O氏は都銀や証券会社など金融業界の有力企業トップと直接付き合える関係だったからです。