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 どうやら一般の企業ユーザーが利用しているオンプレミス環境とパブリッククラウドとの間にはだいぶ深い溝があるようです。クラウドに飛びついた企業ユーザーも、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の爆発力にあわててクラウドに進出したIT企業も、みんなこの谷に落ち込んでしまいました。深い谷だから、とりあえず「クラウド渓谷」とでも名付けておきましょう。

(提供=123RF)
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 エンタープライズITすなわち一般企業のITにとって昨年はクラウド元年というべき年でした。Oracleのラリー・エリソン会長がOOWでクラウドカンパニーとして変身していくことを宣言すると(関連記事:「オラクルがクラウドネイティブといわない理由」)、AWSのアンディ・ジェシーSVPはやはり自社イベントのre:Inventでエンタープライズ顧客をロックインするオラクルを揶揄して、「AWSは悪しき束縛からの解放者」だというプレゼンテーションを行なったものです(関連記事:「AmazonがエンタープライズITをぶっつぶす」)。

 日本でも多くの企業がクラウドコンピューティングに取り組みました。しかし経験は積み上がったものの、実際に試してみるとクラウドコンピューティングもそれなりに大変なものがあるということが理解されてきました。正直言って、このままではとてもAWSの言う「クラウドジャーニー」を進められそうにはないのです。

 AWSを初めて目にした企業ユーザーは、その強力なコストパフォーマンスにショックを受けました。しかしAWSやAzureなどのパブリッククラウドについて利用経験が蓄積されるに連れて、勢いだけでパブリッククラウドを選択するようなユーザーは徐々に姿を消してきたのではないかと思います。パブリッククラウドのベンダーも、やみ雲にコストパフォーマンスを全面に出したマーケティングメッセージは減ってきたように思います。