
NRI楠真 強いITはココが違う
目次
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エンジニアリングを制するもの、クラウドを制す
クラウドの世界で何が何でもキャズムを越えるぞと決心しているように見えるのは、AWSとグーグルです。ここ数年で日本法人の陣容を大幅に拡大してきたAWSは、陣容拡大のペースをますます上げています。対照的に、ハードベンダーは人材の草刈り場の様相を呈しています。
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日本の「ITトピア」に欠けている真面目さ
若い友人がズートピア(Zootopia)というディズニーのアニメ映画を紹介してくれました。肉食動物と草食動物が一緒に住んでいる動物たちの楽園の話です。ライオンが市長、羊が副市長を務めていて、主人公はうさぎのジュディ。彼女は真面目で正義感が強く、うさぎとしては初の警察官になります。
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「持てる者」と「持たざる者」のクラウド戦争
クラウドサービスが「AWS一人勝ち」の状態にあるのは誰しも認めるところです。どの程度一人勝ちなのでしょうか。かつてのPCの世界ではマイクロソフトが一人勝ちでした。今のAWSがあの時代のWindowsと同じくらい一人勝ちだとしたら、AzureやGCPを使う人はかなり変わっていることになります。
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後出しジャンケンが強いゼネラリストがはびこる日本企業の末路
来日したデルのCFO、トム・スイートさんの話を聞く機会がありました。日本企業の財務担当役員には、顧客とのミーティングに出てくるイメージがほとんどありません。これに対し、スイートさんは自分の時間の30%以上を顧客とのコミュニケーションに充てているそうです。
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カード再発行で実感した日本のFinTechの問題点
不覚にも財布を紛失してしまいました。いろいろ探してみましたが、見つかりません。意を決してカードの紛失処理を始めました。紛失処理と再発行の手続きをしてみると、クレジットカード会社と銀行、さらに同じ銀行でもそれぞれに対応が随分違っていることに気づきました。
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グーグルが「ID管理」にエンジニア2000人を充てている理由
ID管理、アクセス管理というと、とても専門性の高い分野だという印象を持たれると思います。実際、ID管理はとても奥深い専門領域です。野村総合研究所(NRI)にID管理・アクセス管理の専門家がどれほどいるか、実際に調べたわけではありませんが、従業員1万人の1%にも満たないのではないかと思います。
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比較表に収まらないクラウド3強---AWS、MS、グーグル
グーグルのイベント「Google Cloud Next」に参加したときに、クラウド事業を統轄するダイアン・グリーンさんの話を内心、「大丈夫なのだろうか」と思いながら聞いていました。AWSと比較して「ここが優れている」という、とがったマーケティングメッセージが存在しないように感じたからです。
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日本のIT業界に襲いかかるシリコンバレーの「デス・スター」
ベイエリアの先進的なIT会社を訪問してきました。訪問した企業は未上場のベンチャー企業からクラウドベンダー、ソフトウエアベンダー、さらにハードベンダーまで様々です。私の問題意識は一つ。はたして日本のITはどれくらい引き離されてしまったのか、ということです。
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日本が「世界で最後にイノベーションが起こる国」に成り下がる日
米国のIT企業を訪問するときには、日本のマーケットが独特のメカニズムを持っていることを説明するところから話を始めます。顧客の要求が強く、請負契約でシステム完成のコミットメントを求められる。ユーザー企業のIT体制が弱いのでベンダー側の負担が大きい。こうした点は確かに米国と異なると思います。
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クラウド時代に存在感を増すITサービス企業
アクセンチュアがIBMの売り上げに迫るというITproの記事を読みました。記事はアクセンチュアの利益率がハードウエアベンダーと比較してはるかに高いことを指摘しています。ハードを中心としたIT業界が、クラウドやITサービスを中心とした業界へと変化していく過程を象徴する出来事ではないかと感じます。
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「止まっていい」システムはない、クラウド時代の運用を改めて考える
動いているシステムはストップするリスクが必ずあります。絶対に止まらないシステムは存在しません。だからといって「止められないならクラウドは使うな」「謝って済むシステムにしかパブリッククラウドサービスを利用してはならない」などと言うのは極端すぎるのではないでしょうか。
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日本で「プログラマー養成キャンプ」を立ち上げる勝算は?
古くからの友人が、新しい会社をスタートさせようとしている若い外国人2人を紹介してくれました。カニさんとヤンさん。2人はDevOpsのためのプログラミングを教えるスクールを日本で立ち上げようとしているそうです。米国ではブートキャンプと呼ばれるプログラミングの学校がいくつも開校されています。
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日本にも中国にもキャズムは存在する
今年のゴールデンウイーク前に、久しぶりに大連のソフトウエアパークにあるNRI大連を訪問してきました。スタートしたときには1フロアの片側しかなかった狭いオフィスが今や3フロアになり、人数は500人体制に拡大しています。平均年齢は30歳前後、現地採用の役員はNRIグループでおそらく最年少役員になると思…
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成功するPMと失敗するPMは何が違うのか
イノベーションを動かす現場ではプロジェクトマネジメントがカギを握ります。ビジョナリーが望むような、ビジネスにイノベーションをもたらすプロジェクトには、強いプロジェクトマネジメントが常に欠かせません。
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クラウドはキャズムを越えるか?
日本の企業ユーザーによるパブリッククラウド利用はキャズムを超えていない。何をすれば現状を打破できるのか。企業ユーザーの事情を分かっているのはAWSでもマイクロソフトでもなく、日本で活動する日本のITベンダーだ。
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ビジョナリーが挑むビジネスイノベーション
イノベーションを起こすには、リスクを取りながらベンダーと考え、挑戦するビジョナリーが欠かせない。ただしビジョナリーの数は少なく、探すのは難しい。ビジョナリーは自分が必要なものを考え、自らそれを見つけ出す存在だ。
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新しいテクノロジーで次世代の覇権を握る
インターネット関連ビジネスで日本企業に元気がない。かつての日本には、世界で覇権を握ろうとギラギラした野心をむきだしにした企業が数多くあった。こうした激しさを見失っていないか、日本の将来が心配だ。
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営業が決める、「テクノロジーカンパニー」の日本上陸
これまで営業が仕切ってきた案件を、テクノロジーカンパニーではエンジニアが仕切る。日本IBM型で成長してきた日本マーケットでは、新たな“営業”手法が求められる。
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Google Cloudを仕切るダイアン・グリーンさんの大いなる挑戦
エンタープライズ分野に本腰を入れたGoogle Cloud。その戦略は、AWSと真っ向から勝負するもの。クラウド事業の舵取りを任された、ダイアン・グリーン氏の動向に要注目だ。
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システムを反対側から見るとSoEが分かる
SoE(System of Engagement)の実現には何が必要なのか。システムを業務処理の視点から見るか、ユーザー側の視点から見るかによって作り方は自ずと異なってきます。