
NRI楠真 強いITはココが違う
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経験と根性を自慢するIT部門はクラウド時代に必ず行き詰まる
ITに携わる組織は数多くありますが、あなたの組織の長所は何ですかと聞いてみてください。「根性がある」と胸を張って答えるところが実に多いと思います。野村総合研究所(NRI)も決して例外ではありません。長年、既存システムを担当してきた経験者ほど、経験と根性さえあればほとんどの問題、課題は解決できると考…
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システム障害を乗り切る根性主義
「システム障害」は、IT部門にとって悪夢です。IT部門本来の「変えない」というミッションを果たす上で、最大のハードルがシステム障害だからです。失敗すればIT部門の面目が丸つぶれになる危機。こうした危機に部門一丸となって対処することが、IT部門のモラルやモチベーションを作ります。しかし、そこにIT部…
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抵抗勢力IT部門、生みの親は丸投げトップ
IT部門の最重要ミッションはビジネスを「変えない」ことです。しかしこの事実を、経営トップやIT部門自身は普段は忘れています。だから、IT部門は経営トップから「イノベーションの抵抗勢力」などと罵られてしまうという話を前回しました。では「変えない」というIT部門の最重要ミッションを忘れないためにはどう…
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みんなが忘れているIT部門の最重要ミッション
「変革を引き起こすのがITのミッションだ」とよく言われます。日経コンピュータやITproでも、ITを活用したイノベーションの事例紹介記事がしばしば掲載されています。変革に積極的でないシステム屋を叱る記事も目に付きます。しかし私を含め、長年ITを実際に担当してきた人ほど、こうした言説に違和感を覚える…
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「ご意向」に負けないプロジェクト、三つの鉄則
研究開発プロジェクトの企画を担当する部長から次年度の計画について報告を受けた時のことです。いくら聞いてもどうもしっくりしないプロジェクトが1つありました。何年も継続しているのにほとんど成果がないのです。今年の活動予定を聞いても成果が出そうに感じられません。そもそもそれを説明する部長さんが内容に熱意…
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エコシステムで日本が勝てない理由(後編)
最近、米国では「第三世代プラットフォーム」という言葉が流行です。第三世代プラットフォームとは、クラウドサービスをベースにした新しいビジネスモデルをサポートする環境全体を指す言葉です。これを活用する新しい世代の企業を論じるときに必ずでてくる言葉が前編の最後で触れた「エコシステム(生態系)」です。今回…
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エコシステムで日本が勝てない理由(前編)
もう20年以上も前の話ですが、当時、野村総合研究所(NRI)の産業コンサルタントとしてコンピュータ業界を担当していました。1980年代後半は日本の製造業が世界市場を席巻していて、特にエレクトロニクス関連と自動車関連は欧米と比較にならない強さを誇っていました。当時のある出来事から、国内エレクトロニク…
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DevOpsは「パセリ」なのか、元祖の会社を訪問して考えてみた
先日、サンフランシスコのダウンタウンからほど近いある会社を訪問する機会がありました。最近話題の「DevOps(デブオプス)」に取り組む会社です。実際に現場を見て、私はまるで違う宗教の教会に来てしまったように感じました。私たちが日常やっているシステム開発と、何もかもが根本的に異なっているのです。
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AWSとWindowsとメインフレームの共通項
「もうデータセンターは必要ない。AWS(Amazon Web Services)だけでシステムは構築できる」。そういう主張をよく聞くようになりました。確かにそうです。私も、もうクラウドだけで大概の業務システムが構築できると思います。同時に私はほんの少しだけ昔のことを思い出します。
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トップはなぜIT部門を軽んじるのか
自社のIT部門に不満を抱いている経営トップは少なくありません。実際は優秀な人材が少なからずいるはずなのですが、なぜ「うちのIT部門は使えない」と経営トップは考えてしまいがちなのか。その理由の1つはIT部門が担っている仕事の価値が、トップの視点ではわかりにくいからです。
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エリソンの話で確信した、パソコンは間もなく消える
4月に米国で開かれたOracleのイベントでラリー・エリソン会長のプレゼンテーションを聞きました。彼はOracleがどれほどクラウドに賭けているか、いろいろな例をあげてわかりやすく説明してくれました。熱のこもった彼の話を聞くほどに私は、「パソコン時代の終焉」を感じざるを得ませんでした。
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システム統合に新アーキテクチャーは必要ない
先日、ある金融系企業のシステム開発担当の女性管理職と食事をする機会がありました。彼女の会社は数年前に数社が合併し、現在は基幹系システムの統合プロジェクトの真っ最中。しかしその進捗がはかばかしくないと、いろいろなルートから私のところにも漏れ聞こえていました。システム開発が難航したり、失敗したりすると…