シリコンバレーNextレポート
目次
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低所得者がスマホを買わないのはなぜ? そんな疑問から生まれたFinTech企業
米国の低所得者層のスマートフォン所有率が低いのはなぜだろう――。そんな疑問を突き詰めることで生まれたFinTechスタートアップがある。シリコンバレーに拠点を置く米PayJoyだ。「デザイン思考」のアプローチに基づいて、低所得者向けのスマホローンを開発した。
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「伝統的」大企業にも広がり始めたクラウド構築ソフトの「OpenStack」
米Mirantis 共同創業者兼CMO、Boris Renski氏
独Volkswagenや米AT&Tといった「伝統的」大企業が「OpenStack」を使って、大規模なプライベートクラウドを構築し始めている。OpenStackの導入支援サービスを手がける米MirantisのBoris Renski共同創業者兼CMO(最高マーケティング責任者)はそう指摘する。
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商品陳列棚をチェックする自走式ロボット「Tally」、コストは人間を下回る
米国のドラッグストアは商品陳列棚のチェックに、1週間当たり平均30~40人時の作業量を費やしているという。人間の店員によるチェック作業をロボットに置き換えようというスタートアップが米サンフランシスコにある。「Tally」を開発した米Simbe Roboticsだ。
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あらゆるデータが「API経由」で利用できる日がやってくる
地球上のあらゆるデータが入手できる「データ版のAmazon.com」になりたい――。そう語るスタートアップがある。米Planet OSだ。様々なビッグデータをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)経由で利用可能にするクラウドを提供している。
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トヨタとUberが提携、米国で加熱する「ドライバー獲得競争」
トヨタ自動車と米Uber Technologiesが2016年5月25日、戦略的提携を発表した。提携内容は今後協議するとしているが、注目すべきはトヨタがUberドライバー向けの自動車リースを提供するとしている点。このようなドライバー支援策を巡って、Uberと米Lyftがしのぎを削っているからだ。
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ジャケットの袖でスマホを操作、Googleが描く2017年のIT端末像
スマートフォン(スマホ)を操作できるジャケット「Project Jacquard」や、パーツが交換できるスマホの「Project ARA」、空間認識機能を備えたスマホの「Project Tango」、音声アシスタント搭載スピーカーの「Google Home」――。米Googleが2016年から17…
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「チャットで買い物」の「Operator」を検証、2016年に日本進出も
「チャット」があらゆるサービスのユーザーインタフェース(UI)になる――。シリコンバレーでこのような見方が急速に台頭している。チャットというUIは本当に便利なのか。「買い物コンシェルジュ」とチャットしながら買い物ができる「Operator」で検証してみた。
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米Googleが深層学習専用プロセッサ「TPU」公表、「性能はGPUの10倍」と主張
「ディープラーニング(深層学習)専用の『Tensor Processing Unit(TPU)』を開発し、1年前から使用している」――。米GoogleのSundar Pichai CEO(最高経営責任者)は2016年5月18日、開発者会議「Google I/O 2016」の基調講演で、同社の人工知…
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見た目は地味な「GitHub」だが、強さの秘密はデザインにあり
米GitHub Head of Design、Mark Otto氏
米GitHubは「世界一地味なユニコーン」かもしれない。同社の「GitHub」はプログラムのソースコードを管理するサービスで、アルファベットが並ぶ画面に派手さは一切無い。しかし同社は業界でも有数の「デザインを重視する企業」だ。
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Googleは企業向けクラウドに本気、鍵を握る「VMware元CEO」に聞く
米Google Senior Vice President、Diane Greene氏
米Googleがエンタープライズ市場攻略を加速している。その象徴がクラウド事業トップに就任したDiane Greene氏だ。米VMwareを創業し、同社のCEO(最高経営責任者)として企業に「仮想化」を根付かせたGreene氏は、Googleを「エンタープライズITベンダー」に変えようと目論む。
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PCの雄とスマホの雄が共に不調、米IT大手の2016年1Q決算
パソコンの米Intelとスマートフォン(スマホ)の米Qualcomm。2016年4月第4週に発表した16年第1四半期で、米国の半導体大手が共に苦境に直面している。「クラウドとスマートデバイスへのシフト」を掲げ1万2000人をリストラするIntelだが、頼みにするサーバー市場は競争激化が見込まれる。
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「留学生の将来性を予測して融資」、FinTechスタートアップの米SelfScore
米国では近年、「オルタナティブレンダー(従来とは異なる借り手)」と呼ばれるFinTechスタートアップが多数生まれている。2016年3月に「外国人留学生向けクレジットカード」の発行を開始した米SelfScoreを例に、何が「従来とは異なる」のか見ていこう。
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クラウド大手が深層学習で火花、GoogleとMSが新サービス、SFDCは買収
米国の大手クラウド事業者が、ディープラーニング(深層学習)を使った人工知能(AI)のクラウドを強化している。米Googleと米Microsoftが2016年3月下旬に新サービスを相次ぎ発表したほか、米Salesforce.comは新興企業を買収すると発表した。
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ボットがアプリや電話窓口を置き換える? Facebookの次なる野望
「メッセージングがプラットフォームになる」。企業の会話ロボット(ボット)が「Facebookメッセンジャー」を通じてユーザーとやり取りする「Bots for Messenger Platform」を発表した米Facebookがもくろむのは、ボットがスマホアプリや企業の電話窓口を置き換える未来だ。
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「あらゆるアプリに会話ロボットを」、米MicrosoftがAIクラウドを強化
「マウス」や「タッチパネル」ではなく、人工知能(AI)を備えた会話ロボット(ボット)との対話こそが、ユーザーインターフェース(UI)の主役になる――。米MicrosoftのSatya Nadella CEO(最高経営責任者)は2016年3月30日に開催したイベント「Build 2016」で、会話ロ…
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ついに終わった「スマホの進撃」、クラウドは高成長が続く
2007年に「iPhone」を発売して以来、破竹の勢いだった米Appleの業績が2016年1~3月期にはいよいよ減収に転じる。スマートフォン用プロセッサ大手の米Qualcommの売上高は既に3四半期連続で減少している。米IT大手の2015年10~12月期決算は、スマホの進撃の終焉とクラウドの高成長…
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懐かしのVeritasが11年ぶりの復活、「ストレージ市場でEMCとIBMに挑む」
「アラフォー」以上のIT業界人にとって懐かしい名前が帰ってきた。情報管理ソフトウエアベンダーの米Veritas Technologiesが2016年2月1日(米国時間)に米Symantecから独立して営業を開始した。Veritasという名称の復活は11年ぶりとなる。
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「AI碁」で競うGoogleとFacebook、プロに勝ったGoogleがリード
米Googleと米Facebookによる「AI(人工知能)囲碁」を巡る勝負で、まずはGoogleが先勝した。両社は2016年1月27日(米国時間)、AI囲碁プログラムに関する論文をそれぞれ発表。「ディープラーニング(深層学習)」を採用する点は共通するが、プロ棋士に勝利したGoogleがFacebo…
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クラウドが「つかみ方」を指示、UCバークレーの「クラウドロボティクス」
カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の「AMPLab」と言えば、ビッグデータ処理ソフト「Spark」を生み出したことで知られる。そのAMPLabが米Googleと共同で「クラウドロボティクス」の研究を進めている。ロボットに必要な機能をクラウドのサービスとして提供することを目指す。
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IoTデバイスにも、サーバーやPCと同レベルのセキュリティ対策を
トレンドマイクロ エバ・チェン社長兼CEO(最高経営責任者)
あらゆるデバイスがインターネットに繋がる「IoT(Internet of Things)」の時代には、過去20年間にPCやサーバー、スマートフォンを襲ったセキュリティ危機が、IoTデバイスを舞台に繰り返される恐れがある――。そう警告を発するのは、トレンドマイクロのエバ・チェン社長兼CEO(最高経営…
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シリコンバレーで会席料理を啓蒙、「ジョブズの料理人」佐久間氏を農水省が表彰
日本食と言えば「すき焼き」「照り焼き」「寿司」ぐらいだったシリコンバレーに、本格的な会席料理を伝えた――。農林水産省による海外での日本食のプロモーション活動「Taste of Japan」は2016年1月16日、シリコンバレーで寿司店や会席料理店を営んでいた佐久間俊雄氏に名誉賞を贈った。佐久間氏の…
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CESで見た自動車産業デジタル化の未来、米大手は「交通サービス」に賭ける
米ラスベガスで2016年1月6日から9日まで開催された国際見本市「CES2016」の主役は、パソコンや家電ではなく、自動車だった。大手自動車メーカーが、高度なセンサー技術や人工知能(AI)技術を基盤とした「自動運転車」に関する取り組みを相次ぎ披露。産業「デジタル化」の波が自動車産業にも押し寄せてい…
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「アルゴリズム審査」のヒントは、ECサイトの偽造品検出
米Kabbage CEO、Rob Frohwein氏
中小企業向け融資を手がけるFinTechスタートアップの米Kabbage。同社のRob Frohwein CEO(最高経営責任者)は、同社の「アルゴリズム審査」という手法のヒントが、EC(電子商取引)サイトにおける偽装品・盗難品の検出にあったと語る。
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ディープラーニングの肺がん検出率は人間より上、スタートアップの米Enlitic
画像の中の被写体を識別する「画像認識技術」の性能は、「ディープラーニング」によって近年急速に向上している。そのディープラーニングを癌(がん)など悪性腫瘍の検出に適用しているのが米Enliticだ。同社のシステムのがん検出率は、人間の放射線医師を上回るという。
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リーガルインフォマティクスで法律業務を革新、スタンフォード大出身の米Ravel Law
スタンフォード大学には法学とコンピュータ科学を組み合わせた「リーガルインフォマティクス」という研究分野がある。同大学出身者が起業した米Ravel Lawは、判例データを活用した弁護士支援サービスを提供する。
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Googleのビル空調は人工知能が制御、スタートアップの米Building Roboticsが開発
米Googleのオフィスでは人工知能がビル空調を従業員一人一人に最適な温度に制御している。このような人工知能を開発したのは、米オークランドに拠点を置くスタートアップ、米Building Roboticsだ。
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機械と人間が協力して翻訳サービスを提供、スタートアップの米Unbabel
米サンフランシスコの米Unbabelは、機械翻訳と人間による翻と訳を組み合わせた翻訳サービスを提供する。同社のポイントは、人間は機械翻訳の校正に専念していることと、校正結果を機械学習することで、機械翻訳の精度を向上させていることだ。
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AppleやMicrosoftも頼るソフト開発者の中心地、躍進する「GitHub」
自社製品のオープンソースソフトウエア(OSS)化を進めている米Appleや米Microsoft。両社のOSS戦略には一つの共通点がある。それはプログラムのソースコードを公開する場所として、ソースコード共有サービスの「GitHub」を使用していることだ。
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量子コンピュータ開発が日米で加速、用途は人工知能
日本で考案された理論を基にする「量子アニーリング方式」の量子コンピュータは、人工知能の開発に欠かせない「機械学習」を高速に処理できる可能性がある。米Googleが「既存コンピュータに比べて1億倍高速」と実証したカナダD-Wave Systemsを追って、日米の研究機関が人工知能用の量子コンピュータ…
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データサイエンスの力を中小企業に届ける、米Salesforceの次の挑戦
「ビッグデータやデータサイエンスの力を中小企業に届けたい」――。そう語るのは米Salesforce.comの共同創業者でCTO(最高技術責任者)を務めるParker Harris氏。営業支援システムのSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)から始まったSalesforceが「総合ITベンダー」…
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ドローンは「IoTデバイス」、米Qualcommの新戦略
スマートフォン用SoC(システム・オン・チップ)大手の米Qualcommがドローン市場に参入した狙いは、「IoT(Internet of Things)」にあった。ドローンは「空飛ぶセンサー」であり、屋外におけるIoTを推進する上で欠かせない存在になると同社は期待する。
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「脳型コンピュータ」の道険し、スタートアップがロボ用ソフトに事業転換
脳を参考にすることで、全く新しいコンピュータを生み出せるのではないか――。世界中で「脳型コンピュータ」に関する研究開発が進められている。しかし脳型コンピュータの実現は容易ではない。それを象徴するスタートアップがある。米Brain Corporationだ。
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シェア?オンデマンド?、「Uber」や「Airbnb」の呼び方
「『Uber』や『Airbnb』は『シェアリングエコノミー』や『オンデマンドエコノミー』と呼ばれるようだが、言葉の定義はあるの」――。筆者に下に日本からそんな質問が届いた。最近では「ギグエコノミー」という言葉も登場している。これらのサービスの「呼び方」について考察しよう。
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「社外の知恵が重要」、米Wells Fargoがスタートアップを支援する理由
米国の大手銀行である米Wells Fargoが、スタートアップ支援プログラム「Wells Fargo Startup Accelerator」を開始して1年半が経過した。責任者であるBipin Sahniシニア・バイス・プレジデントは、「スタートアップ支援は、銀行の外で起きているイノベーションを知…
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退くHP、進むOracle、転換点を迎えた老舗ベンダーのクラウド戦略
老舗ITベンダーのクラウド戦略が大きな転換点を迎えている。米Hewlett-Packard Enterprise(HPE)が2016年1月にパブリッククラウドから撤退する一方、Larry Ellison会長兼CTO(最高技術責任者)率いる米Oracleは、最大手「Amazon Web Servic…
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米Amazon、「価格10分の1」でエンタープライズ市場への攻勢強める
米Amazon Web Services Vice President Adam Selipsky氏
米Amazon Web Services(AWS)がエンタープライズIT市場への攻勢を強めている。既存製品に比べて価格が「10分の1」をうたう「価格破壊」のサービスを次々投入するだけでなく、米Accentureなど大手企業に強いシステムインテグレーターをパートナーとして取り込み始めている。
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ソフト売上高150億ドルを目指す米GE、商品は「自社のIoT経験」
米General Electric(GE)が「エンタープライズITベンダー」として台頭している。ソフトウエア事業の売上高を2015年の50億ドル(約6000億円)から2020年には150億ドル(約1兆8000億円)にまで伸ばす。顧客に販売するのは自社の「IoT(Internet of Things…
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DellがEMCを8兆円で買収、最大の脅威はパブリッククラウド
米Dellが生き残りをかけて、米EMCを670億ドル(約8兆円)で買収すると発表した。買収後に売上高が800億ドル(約9兆5000億円)を超える新生Dellの最大の脅威は、同業のメーカーではない。DellやEMCのハードウエアを使わずにサービスを展開している、パブリッククラウド事業者だ。
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分散DB「Cassandra」の人気が加速、AppleとNetflixがブームを牽引
オープンソースソフトウエア(OSS)の分散データベース(DB)である「Apache Cassandra」の人気が米国で急速に高まっている。データセンター(DC)に障害が発生しても処理を継続できる可用性の高さがユーザーの支持を集めている。
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Appleの企業向け売上高は年間250億ドル、「遊びでは無い」とCook氏
米Appleがエンタープライズ(企業向け)ITベンダーとして急速に巨大化していることが分かった。Tim Cook CEO(最高経営責任者)によれば、同社のエンタープライズ(企業向け)の売上高は2015年6月までの1年間で250億ドル(約3兆円)に達するという。