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 日経BP社は2015年春、米カリフォルニア州パロアルトにシリコンバレー支局を設置した。支局に所属する記者はただ働くだけでなく、この地で生活していかなければならない。その生活の記録を記事にしようというのが、本コラムの趣旨である。

 第1回となる今回は、記者がシリコンバレーで生活を始めて驚いたことをまとめてみよう。何度となく取材に来たことがあるシリコンバレーだが、短期滞在するのと実際に生活をしてみるのとでは、大きな違いがあった。

 なおシリコンバレーというと、厳密には「サンフランシスコベイエリア」地域の南半分、行政区域で言うとサンマテオから南、パロアルトやマウンテンビュー、サニーベール、サンタクララ、サンノゼ辺りのことを指すが、米国においても「サンフランシスコベイエリア」全体のことをシリコンバレーと呼ぶことがあるので(関連記事:シリコンバレーがやって来る、全産業を襲う新たな脅威)、本記事でもサンフランシスコベイエリア全体のことをシリコンバレーと呼ぶことにする。

進む「自動車離れ」

 シリコンバレーにやってきた記者がとにかく驚いたのは、この地のライフスタイルが大きく変わり始めていることだ。象徴的なのは自動車に関連する変化だ。アメリカと言えば「自動車社会」であり、実際に記者が住み始めた(米Apple本社がある)クパチーノのような郊外では、自動車が無ければ買い物すら困難だ。しかしそんな中でも「自動車離れ」が着実に進行していた。

写真1●サンフランシスコで「プライドパレード」が開催された日のUberのアプリケーション画面
写真1●サンフランシスコで「プライドパレード」が開催された日のUberのアプリケーション画面
「プライドパレード」のシンボルカラーがあしらわれている
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 例えば、記者が渡米した直後に開催して頂いた歓迎会。記者は何も考えずに会場へ自動車で行き、ソフトドリンクを注文した。ところが周りの人々はガンガンお酒を飲んでいる。聞けば皆さん、当たり前のように「Uber」を使っていた。それも日本で言えば「白タク」に当たる、一般のドライバーがタクシードライバーになる「Uber X」(写真1)を選んでいた。

 運営元の米Uber Technologiesのお膝元であるサンフランシスコにおけるUberの存在感は、日本で想像していたよりも大きい。サンフランシスコの市街地を運転していると、自分の前も後ろも「U」のマークのステッカーを貼ったUber Xの車だったりすることが頻繁にある。