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写真1●屋上でドローンが発見された首相官邸
写真1●屋上でドローンが発見された首相官邸
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 国の中枢である首相官邸に落下した事件で、一躍注目を浴びた無人飛行機「ドローン」(写真1)。その後も東京・浅草の三社祭で飛行させると予告した横浜市の少年が威力業務妨害容疑で逮捕されるなど、相次ぎ世間を騒がしたのは記憶に新しい。

 新しい産業としての将来性に期待が高まっていた中で冷や水を浴びた格好となったが、普及の歩みも止まったわけではない。浮き彫りになった課題について解決策を探りつつ、活用を試みる動きは依然としてそちこちで活発だ。空飛ぶマシンは、人手などでは実現不可能な「夢」をかなえてくれる頼りになる相棒だからだ。

 果敢にドローン活用に取り組む人々はどんな悩みを抱えどう解決しようとしているのか。3つの現場を追った。

重さ約2キロのAEDをいち早く現場へ

写真2●小澤学科主任は国際医療福祉専門学校の生徒たちと救急現場でのドローン活用を検証している
写真2●小澤学科主任は国際医療福祉専門学校の生徒たちと救急現場でのドローン活用を検証している
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 「1秒でも早く患者の命を救うには、ドローンを使うしかない」――。救急車で事故現場に駆つける救急隊員やハイパーレスキュー救助隊員などを数多く輩出する国際医療福祉専門学校(千葉県・千葉市)。救急救命学科で教鞭を執る小澤貴裕学科主任・ICT担当は、こう言ってはばからない(写真2)。

 なぜドローン活用に固執するのか。それは、心肺停止などを起こした患者の現場にAED(自動体外式除細動器)をもっとスピーディに運びたいという、救急医療の切実な問題がある。

 心肺停止時に患者蘇生のために使う装置がAED。「患者が心肺停止してから8分以内にAEDを作動させるのが蘇生のセオリー」(小澤学科主任)。処置が1分遅れるごとに蘇生する確率が10%ずつ下がるだけに、救急隊員はAEDを1秒でも早く患者の元に運ぼうと日々奮闘している。ただ交通渋滞などで到着が遅れるケースは少なくなく、頭痛の種だった。

それでも私たちはドローンを使う