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 専用機を中心にしたプラットフォーム構築を推進する自動車メーカーは、専用機ならではの機能を提供する部分に力を注いでいる。その先行例がトヨタの「T-Connect」だ。トヨタが提供してきた自動車向け情報サービス「G-BOOK」の後継として開発したもので、クラウド連携の音声認識機能や、サードパーティーのアプリをダウンロードして実行する機能を利用できる。

 「G-BOOKでの技術の蓄積と、クラウド、ビッグデータ、スマートフォンの広がりといった環境の変化が進む中で、トヨタが車載情報端末で手掛けるべき部分を見つめ直した」(トヨタ自動車 e-TOYOTA部 スマートセンター開発室 展開グループ長の天野裕二氏)。車両操作につながる対話型インタフェースや、高度運転支援につながる高精度なナビゲーション、クルマの新しい価値につながるビッグデータなどは自動車メーカーが主体となって開発する領域だと定義。その一方で情報系や娯楽系のサービスでは外部のアプリやコンテンツ提供者の力を借りることを志向した。

 外部企業がアプリを開発できるオープンなシステムとして構築したのが「TOVA(Toyota Open Vehicle Architecture)」。車内の制御ネットワークを流れる車速やエンジン回転数、ブレーキ操作などの制御情報や、車載端末が取得した正確な位置情報などを利用できるTOVA独自のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を用意した。開発登録した企業がトヨタのSDK(ソフトウエアデベロップメントキット)を使ってJavaでアプリを開発し、そのアプリをトヨタが審査した上で公開する(図3左)。

図3●自動車メーカーが開発した独自プラットフォームの例
図3●自動車メーカーが開発した独自プラットフォームの例
車載専用機でもアプリを追加・実行可能に
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 2014年にトヨタが初開催したハッカソン「TOYOTA HackCars Days 2014 in Tokyo」には44組が集まった。「自動車メーカーにはない発想がたくさん出てきた。オープンな環境を用意することで、自動車メーカーの考えが及ばなかったアプリやサービスが生まれることに期待している」(天野氏)。

 ホンダは2014年10月に開催された「パリモーターショー2014」において、2015年から欧州で発売する車種に搭載する新しい車載情報端末のプラットフォームとして「Honda Connect」を発表した。グーグルが開発したAndroid OSをカスタマイズして実装したもので、ホンダが運営する「Honda App Center」を通じてサードパーティー製のアプリを追加できるようにしている(図3右)。Android OSを利用するものの、グーグルの思惑とは異なる動きといえる。