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 ワンウェブとスペースXの通信衛星コンステレーションは、それぞれ不明な点や未公開情報はまだ多い。しかし、最近の事業の伸展に伴い、かなり概要が分かってきた。そもそも両者はシステム構成が似ている。当初は合同で事業をするべく交渉していたのだから、当然かも知れない。

表●ワンウェブとスペースXの通信衛星コンステレーション比較
ワンウェブスペースX
衛星重量150kg以下(125kgという情報あり)数百kg(2015年1月の発表時の時のイーロン・マスクCEO発言より)
衛星機数約700機(初期648機。衛星900機を発注)約4000機(3993機という情報あり)
軌道高度1200km1100〜1300km(高度の異なる円軌道に衛星を分散させる模様)
使用周波数KuバンドKuバンド
システム構築スケジュール2017年から19年にかけて初期648機を打ち上げ2020年頃に初期システムでサービス開始、2030年頃に全システムを完成

 また、スペースXは今年5月、米連邦通信委員会(FCC)に、4000機の通信衛星コンステレーション構築の前段階として、試験衛星2機を打ち上げるため、電波帯域の使用申請を提出した。これによると、試験衛星は重量65kg。2016年に高度625km、軌道傾斜角86.5度の円軌道に打ち上げて1年程度の通信試験を行うとしている。

より強い電波を地上に落とす

 これらの情報から、ワンウェブとスペースXの意図を推測してみよう。両者は事前に共同で事業を行う可能性を模索し、交渉していた。ということはシステムの違いには両者の考え方の相違、決裂の原因が現れているはずである。

 まず、最もはっきりしている相違は衛星の数だ。共にKuバンドの電波を使用し、高度1200km前後の軌道を使用する。つまり、同じ規模の衛星ならば、使用帯域にもよるが通信速度はほぼ同じになると見てよい。ところが、衛星数はスペースXのほうが4倍以上多い。これは1機の衛星がカバーする地表の領域を1/4に狭くできるということで、同じ電波出力ならば地上で受信できる電波強度は4倍になる。また、衛星重量がワンウェブより重いということからも、スペースXは、ワンウェブより強い電波で地上との通信を行おうとしていることが分かる。