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 米大手EC(電子商取引)事業者イーベイから独立した巨大決済サービス企業、米ペイパル。日本進出に失敗したイーベイの影響もあり、ペイパルは日本市場での存在感が薄い。だが、グローバルで見ればその存在感は他を圧倒。FinTech(フィンテック:金融×ITの造語)分野のパイオニアでありながら、今もなおインターネット決済市場に君臨し続けている。現在、ペイパルが展開している国と地域は203に達し、利用者は世界中で1億6900万人に及ぶ。2014年にペイパルが処理した決済総額は2350億ドル(約28兆円)、収益は80億ドル(約9600億円)に達している。

 イーベイの縛りから解かれたペイパルは今後、どこを目指すのか。日本を統括するペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏に話を聞いた。

(聞き手は原 隆=日経コンピュータ

写真●ペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏
写真●ペイパル東京支店カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏
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米イーベイから独立し、7月20日に13年ぶりの再上場を果たした。時価総額は一時500億ドル(約6兆円)近くまで膨れた。率直な今の感想と分社化の狙いを教えてほしい。

 米イーベイとは非常にスムーズに分社化できた。再上場の9カ月前に発表したが、期待以上のスピードで(分社化の作業を終え)、この日を迎えられたことをうれしく思う。両社の関係は極めて友好的だった。時価総額がイーベイを超えることはあらかじめ予測されていたことだ。ペイパルの著しい成長が分社化した一つの理由で、戦略的に考えた上で両社は別々の道を歩むことになった。

 もちろん分社化を望むモノ言う株主の存在も認識していた。だが、我々は半年に1回の役員会の席で、これまでと同様に一緒に歩んだ方がいいのか、別々の道を歩んだ方がいいのか、自問自答してきた。イーベイもペイパルも双方が非常に早いスピードで成長してきたが、両社のシナジー効果が以前よりも弱くなっていたことは否めない。

 ECの世界は整理統合が進んだ。当初は小さな事業者がオンラインでビジネスを始めるケースが主流だったが、今では大手企業もEC事業に取り組んでいる。グローバルでも大きなマーケットプレイスが立ち上がっており、ペイパルはイーベイと一緒であるが故に採用してもらえないという状況に陥っていた。こうした状況は避けなければならないという判断に至ったわけだ。