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 トイレやバスルーム、システムキッチンなど水まわりの住宅総合機器を提供するTOTO。その商品開発を支えるCAE(Computer Aided Engineering)基盤を仮想デスクトップ(VDI)を活用して再構築した。シミュレーションに必要なITリソースを事業部間で共有することで、商品の開発効率や設計品質を向上させた。処理の内容や負荷に応じて、CPUとGPU(Graphics Processing Unit)を使い分ける。

写真1●TOTOのネオレスト(NEOREST)
写真1●TOTOのネオレスト(NEOREST)
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 CAEの適用例の一つが、便器の開発支援だ。さらなる節水を目指したデザイン作りが大きなテーマである。1987年~2001年頃の商品では、洗浄のために1回13リットルの水が必要だった。その後、デザインの改良などを重ねることで水の使用量は10リットル、8リットルと減っていき、最新製品「ネオレスト(NEOREST)」では3.8リットルで済む(写真1)。

 CAEでは、便器洗浄の水の流れをシミュレーションすることで節水につなげる。自社開発のプログラムを使い、水と空気が入り交ざった複雑な動きを表現する(写真2)。

写真2●シミュレーションの実行例
写真2●シミュレーションの実行例
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データセンターに設置したサーバーはハイパーバイザー「Citrix XenServer」で仮想化、プログラムなどは仮想マシン(VM)上で動かす。処理結果は、デスクトップ仮想化ソフト「Citrix XenDesktop」を使って、開発者の端末に画面転送する。WANを経由したVDI構成にもかかわらず、「手元で実行しているのと変わらないスピードでシミュレーション動画が見られる」(TOTO 生産技術本部 技術開発センター CAE技術グループの村岡慶彦氏)という。

 そのほか、陶器の製造過程で発生する割れを未然防止するために乾燥シミュレーションを実施するなど、CAE基盤はTOTOの商品開発に欠かせないものだ。なぜVDIを活用したのか、その経緯を見よう。