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 前回は、要件の量と確度を定量化しユーザーとベンダーが一緒になってマネジメントする必要性について触れました。見積もりが終わった後も、見積時に合意したシステム要件と開発の実態がかい離しないようにマネジメントしなければ、プロジェクトを成功に導くことはできません。

 今回は、要件量をマネジメントする方法として、NTTデータのスコープマネジメント手法を紹介します。

スコープマネジメントの背景

 システム開発プロジェクトでは、ビジネス環境の変化に合わせてシステムに対する要求が日々変化する一方で、コストに対する制約は厳しいものです。そのため、要件の変化を適切に管理できなければ、見積もりより実際のコストが膨らんでしまいます。

 システム要件の変化には様々な原因がありますが、ユーザーとベンダーが要件量の増減にうまく対応できないと、状況はさらに悪化しマネジメント不能に陥ります。スコープマネジメントはこの対応の問題点に着目し、適切に対応するための手法です。図1では、問題となる対応の例を示しています。例としては、システム要件の増加に気付かないまま要件定義を実施し、定量的な方法で調整を行わない、といったことが挙げられます。システム要件の増加が判明した後も、ユーザーとベンダー間で増加に対する認識を共有せずに、システム要件を変更しようとする要求をすべて受け入れることで、さらに要件量は増加します。

図1●要件量増加への対応不備
図1●要件量増加への対応不備
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