PR

コスト、性能、安定感でGCPを採用

 比較対象として候補に挙がったのがGCPだ。猪狩氏は「グーグルとは付き合いがあった」と明かす。マイデジソリューションズはWebサイトのコンテンツ企画などを手掛けるコンサルティング会社で、グーグルの広告配信サービス「Google AdSense(グーグルアドセンス)」などの認定パートナーだ。

 グーグルに問い合わせたところ、すぐに見積もりを持ってきたという。佐藤氏によると「想定するシステム構成で試算したところ、当時の料金だと3年契約ならAWSのほうが安いが、月単位の契約ならGCPのほうが安かった」と説明する。

 GCPの場合、1カ月単位の継続利用で値引きが適用される。月単位なら契約内容を柔軟に変更しやすいのも魅力的だった。

 性能面でもGCPのほうが有利だと考えた。「GCPは仮想マシンの新規立ち上げが約30分で済み、AWSより速かった」と佐藤氏は話す。AWSの場合、仮想マシンごとに性能のばらつきがあるのではとの懸念があった。「ベンチマークを取ったわけではないが、グーグルからはGCPなら安定した性能が出るとの説明を受けた」(佐藤氏)。

 佐藤氏はAWSとGCPの違いについて以下のように述べる。AWSについては「個人が小さなサービスを作るのに向く。PaaS関連など新しいサービスがどんどん出ている」と評する。

 一方、GCPは「性能や安定感といった基本機能の強化に注力している印象で、企業利用や大規模システムに向く。ただしPaaS関連のサービスはまだ少ないため、独自に開発する必要がある」と語る。

 猪狩氏も安定感といった観点から企業システムに向くのはGCPだとする。同社は過去にグーグルのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Google App Engine」を試したことがある。2011年からはグループウエア群のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)である「Google Apps」を利用していた。

 これらのサービス利用を通してグーグルのサービスに対し「安定感がある」(猪狩氏)との印象を持っていた。「例えば災害時の情報配信はメディアにとって重要だ。GCPはグーグルの各種サービスを支える基盤でもあり、安定した性能や稼働の面で信頼性が高い」と猪狩氏は話す。

 2015年1月前後にはGCPの採用を決め、機能検証やシステム構成の確認後、GCPへのサーバー移行を進めた。記事を投稿するバックエンド側と、Webサイトとして出力するフロントエンド側のいずれも、インフラ基盤にはGCPのIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)である「Google Compute Engine」を利用している。