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Cloud Storageの利用で負荷が大幅軽減

 6~7月は急きょ別の仮想サーバーを立ち上げるなどして個別対処していた。ただ、負荷軽減のため、並行してGCPのオブジェクトストレージサービスである「Cloud Storage」の試用も始めていた。Cloud StorageはAWSにおける「Amazon Simple Storage Service(S3)」のようなサービスだ。

 佐藤氏はCloud Storageを「Amazon S3とコンテンツ配信Webサービスである『Amazon CloudFront CDN』を足したようなサービス」と表現する。画像の保存に加えてコンテンツ配信の機能もあるため、Webサーバーで画像の展開などの処理をする必要がなくなる。

 Cloud Storageの利用は検討段階から視野に入っていた。佐藤氏は「2014年12月の時点でサービスについては知っていた」と話す。ところがサーバーの移行を急いだことと、知見が足りなかったため、Cloud Storageの利用については後回しにした。

 試用を始めて約1カ月後の8月に、画像データを全てCloud Storageに移行した。これによりWebサーバーの負荷は劇的に下がった。「Webサーバーの負荷はテキスト関連だけになった」と、佐藤氏は移行の効果を強調する。

 負荷が下がったことでWebサーバーの台数を減らせた。今後増強予定ではあるが、8月時点の最小構成だとフロント側はWebサーバーが4台(1台は非常用で普段は立ち上げていない)、バック側はDBサーバーが3台(1台はバックアップ用)と記事配信用などの2台で、合計9台になった(写真3)。

写真3●Cloud Storageを使い、GCP上に構築した新CMSのシステム概要構成図(マイデジソリューションズの資料を抜粋)
写真3●Cloud Storageを使い、GCP上に構築した新CMSのシステム概要構成図(マイデジソリューションズの資料を抜粋)
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 画像の投稿から展開までの処理が早くなったことで、記事を投稿する記者の満足度が上がったことも大きな効果だ。猪狩氏によると「記事を投稿してからWebページが生成されるまで約3分かかっていたのが、最大で1分短縮できるようになった」。このため記事投稿時の記者のストレスが下がった。

 本社のオンプレミス環境からGCPへ移行したことにより、月額の利用料は「約3割安くなった」(佐藤氏)。CMSのリニューアルにかかった開発費についても、コア・ジャパンとの共同開発により「通常、大手ベンダーに頼むと数千万円かかるところ、数百万円(初期費用のみ)で済んだ」と猪狩氏は語る。

 記事の投稿部分とWebサイトの出力部分を明確に切り分けたことによる利点もある。記者は記事と画像の投稿だけを担当し、コンテンツの中身に集中できる。一方、デザインなどは記者が気にする必要がない。

 猪狩氏は「出力側は我々が管理することで、デザインのぶれがなくなった」と話す。スマートフォンへの最適化や、Webサイトのリニューアルもやりやすくなり、広告の差し替えなども簡単にできるという。