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 IoTによる新産業革命が現実味を帯びてきた。今は最適なものやサービスを世界の中で最も適した場所から調達するグローバルソーシングが主流だが、AIやロボットを徹底的に活用するロボットソーシング、パーソナルデバイスで利便性を飛躍的に向上させるセルフソーシングが急速に浸透している。

 時代の変化はそれだけではない。かつてはそれ相当の設備投資や従業員雇用がなければ事業は始められなかったが、今やそのハードルはどんどん低くなっている。ネットサービスや3Dプリンターによるものづくりビジネスもその一例だ。テクノロジーの進化と社会の変化で、企業を取り巻くビジネス環境は目まぐるしく変化しているが、トライ・アンド・エラーを“爆速”で繰り返すことにより、規模に関係なく誰でも新しい価値を創出できる世界がやってきた。

人間の仕事が失われる? ロボットやAIによる懸念

シグマクシス マネージングディレクター グローバルセキュリティエキスパート 取締役 柴沼 俊一 氏
シグマクシス マネージングディレクター グローバルセキュリティエキスパート 取締役 柴沼 俊一 氏

 このような時代の急速な動きを背景に、近い将来人間の仕事がロボットやAI に取って代わるかもしれない、と大勢の学者やエコノミストが心配している。スマートフォンを使った米国の配車サービスのウーバーの動きはその最たるものだ。タクシー業界では、これまでタクシードライバーと予約センターがサービスを提供してきた。ウーバーは予約センターを中抜きし、タクシードライバーと乗客をつないだ。将来、自動運転によってタクシーと乗客が直接結び付き、ドライバーさえ不要になるかもしれないと言われている。

 農業革命、産業革命、いずれも3世代以上かけて、人間は徐々に産業構造と働き方を変化させてきた。しかし、私たちが今直面するデジタル革命は、1世代ですべてが切り替わるスピード感だ。アナログ世界の経営では、年率10%の成長を目標に経営者は着実な成長を志向した。しかし、デジタル世界を牽引する企業の共通点は10times、つまり10倍の成長を意識していることだ。今後、日本企業も同じようなスピード感、成長の視点を持たなければ生き残れないかもしれない。

 悲観的な材料は少なくないが、私は一方で希望も持っている。期待を寄せているのはデジタルネイティブのZ世代(ジェネレーションZ)だ。テクノロジーに精通するだけでなく、SNSを使いこなして新しいコミュニケーションスタイルを身に付け、社会の課題を解決しようとする強い意欲を持つ。デジタル社会に適応した価値観や能力を備える若者が困難を乗り越え、新しい時代を切り拓いてくれるだろう。大事なことは、年長者が彼らの邪魔をすることなく、支援の側にまわり、ともにコラボレーションすることだ。

新たな職種、アグリゲーターの特徴
新たな職種、アグリゲーターの特徴
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フラット型の組織で社外アセットの活用を

 アナログ世界の経営では、定型的な社内業務を効率的に回すことを重視し、標準プロセスと仕組み、人財を効率的に活用する「インターナルマネジメント」の考え方が重視されてきた。これに対し、10ti mes 成長の世界では、社外アセットの活用が欠かせない。自社の力だけでは、10倍の成長を実現するブレイクスルーは期待できない。必要な人財を必要なタイミングで集めなければならず、組織は階層型でなくフラット型になる。組織の内外にあるアセットを活用するという意味で「エクスターナルマネジメント」が重要になる。

 ここで活躍するのは、自立した個人だ。組織の内外に散在する個人の能力がイノベーションを創出する。Z世代には、こうした人財が多い。彼らは「アグリゲート(aggregate)する能力を持つ人財」という意味でアグリゲーターと呼んでよいだろう。アグリゲーターは「やりたい、やり切るんだ」という強烈な意志を持ち、(1)時代を先取りし、事業の青写真を描ける、(2)顧客、サービス、ビジネスモデルを自由に設計できる、(3)不足する能力を自在に世の中から取り込める、(4)成功体験を捨て、自ら変革し続けられる、という特性を持つ。

 今後、社内でアグリゲーターをどう育てるか、あるいは外部からアグリゲーターをどのようにして採用するかは重要な課題になる。アグリゲーターが活躍できる社会を実現することで、AIやロボットが人間の仕事を奪う世界ではなく、人間そのものがAI、ロボットを超えて価値を生み出せる世界を実現できる。当社もそのお役に立てれば幸いだ。