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 最後に、EnOceanを含むエナジーハーベスト無線一般の課題と展望を挙げます。

(1)情報量を増やす、長期間安定動作させる
センサー・ノードが使える電力が増えると、できることが増えます。例えば、以下のようなことが可能になります。
(a)双方向通信が可能になると、LED点灯やブザー鳴動など、無線が確実に受け取られたことを確認することができるようになり、また上位層からの情報、例えば設定温度などを表示することができるようになります。
(b)消費電力の大きいセンサーを複数個実装できる
(c)送信インターバルを短くできる
(d)周辺環境に影響されず安定的に動作できる
などです。
 新たなハーベスターにも期待が集まっていますが、一次電池に含まれる有害物質の廃棄コストや機器のメンテナンスコストを削れるメリットが、大量生産技術が確立している一次電池とのコスト差を上回れるか、注目しています。

(2)メンテナンスフリーの更なる追求
 電池交換不要のメリットを阻害する要因を減らしていく必要があります。センサー・スイッチ類が容易に取り外しのできない箇所に埋め込まれていくようになると前述のリモートマネジメントも必須になってくるでしょう。また製品の長寿命化(=壊れない・陳腐化しない)のための努力が継続して必要です。

(3)機器売り切りから課金へ、ビジネスモデルの変革
 部品自体の低消費電力化により、一次電池で10年以上連続使用が可能というのが当たり前になってくると、電池交換不要の意味が薄れてきます。同時に、10年経過した後の機器の陳腐化も問題になってくるでしょう。機器の買い替え需要が少なくなるとすれば、企業としては時間課金、もしくは1単位の情報を送受信するごとに課金、というビジネスモデルを構築する必要に迫られるでしょう。逆にノードのオーナーは有用な情報を売って儲けることも考えられます。