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アプローチはさまざま
50%OFFも十分可能

 パブリッククラウドのコストはさまざまな方法で削減できる。実際にコスト削減に成功したIT現場は、どのような工夫をしたのか。先行7社のコスト削減事例を紹介する。

事例6
ファイルフォース
データ転送量が無料のサービスを選ぶ

 課金体系や課金対象を精査した上で、自社の使い方に合ったサービスを選ぶこともコスト削減には不可欠だ。パブリッククラウドの料金体系は、クラウド事業者によって大きく異なる。

例えばAWSやAzureは、使った分に応じて支払う従量課金。これに対してIIJ GIOは日額または月額固定の料金体系である。また、従量課金のサービスでも、課金の対象は若干異なる。こうした違いをうまく利用したサービス選びがコスト削減では求められる。

 企業向けオンラインストレージサービス「Fileforce」を提供するファイルフォースは、AWSをはじめとする複数のパブリッククラウドを組み合わせてシステムを構築した。そのシステムは、ユーザーからのアクセスを受け付けるWeb-APサーバー、数100Tバイトの膨大なストレージ、ストレージに保存するファイルの情報を管理するデータベースで構成される。このうちWeb-APサーバーは、ユーザーからのアクセスを受け付け、データを送信するほか、どのストレージにデータを分散させるかなども制御する。

 従来はデータセンターでハウジングの形でシステムを構築していたが、コスト面からパブリッククラウドへの移行を模索。当初、いくつかのクラウドサービスを検討したが、コストの差が大きいことが分かった。それもそのはず、同社の事業はストレージサービスである。サービスの特性上、ファイルのダウンロードが多く、データ転送料が発生するパブリッククラウドでは、コスト上昇は避けられなかった。

 そこで同社は、データ転送量に応じた課金がないパブリッククラウドを探った(図7)。その結果、利用するパブリッククラウドの一つとして、NTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Cloudn」を選んだ。

図7●データ転送量が無料のサービスを選ぶ
図7●データ転送量が無料のサービスを選ぶ
ファイルフォースは自社が提供するクラウドストレージサービス「Fileforce」の基盤の一つに、データ転送量が かからないNTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Cloudn 」を選んだ
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 「今使っているクラウドの中では、データ転送料がかからないので一番安い」と、高原慎太郎氏(執行役員CFO 経営企画室 室長)は評価する。

 このほか、一部のシステムでAWSも利用している。ここでもコスト削減の工夫がある。高原氏によると「サーバーを前払いで購入するリザーブドインスタンスや、負荷に応じてサーバー数を増減するAuto Scalingなどが効果的だ」と言う。つまり、システム構成を分解し、それぞれコストが安くなるようクラウドを使い分けて最適化しているわけだ。