複数の拠点を持つ企業が、拠点間で通信できるネットワーク、WANを構築する用途で幅広く利用されているのが、NTT東日本/NTT西日本が提供する「フレッツ」である。フレッツは、FTTHやADSLを使ったアクセス回線サービス。固定の電話回線がつながる場所であればおおむね利用できる、提供エリアの広さが売りだ。この特集では、NGN-VPNの仕組みや特徴を他サービスと比較しながら見ていく。また、フレッツを利用した各種VPNサービスを選ぶポイントや、見落としがちな注意点を取り上げる。

フレッツで構築するVPNのツボ
目次
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[第5回]サービス選びのツボ4~5、用途に合わせて構成や付加機能を選択
フレッツを利用するVPNサービスの場合、そのほとんどがルーター機能を持った機器を拠点に設置しなければならない。しかしサービスの中には、通信事業者の網に設置したルーター(PEルーター)を使って、拠点にはルーターを設置しないとうたう、「ルーターレス」と呼ばれるサービスもある。それでもフレッツでエントリ…
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[第4回]サービス選びのツボ1~3、ベストエフォートの見極めが重要
3年くらい前までは、WANを構築するとき、通信はレイヤー2にするのか、レイヤー3にするのか、アクセス回線はギャランティー型にするか、ベストエフォート型にするか、といった点からVPNサービスを選んだ。しかし最近は、様々な構成に対応可能な統合型やハイブリッド型と呼ぶサービスが登場し、広域イーサネットや…
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[第3回]NGN-VPN構築の大きな壁、半固定アドレス対応が必要
これらのメリットがある一方で、NGN-VPNを利用するには、大きな壁がある。それは、「半固定アドレス」への対応だ。NGNでは、NGN内の折り返し通信に必要となるフレッツ・v6オプションで払い出される各拠点のIPv6アドレスが半固定アドレスになっている。半固定は、滅多に変わらないが、変わってしまう場…
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[第2回]NTTの閉域網を使ったNGN-VPN、低遅延で障害が少ない
NGN内の折り返し通信を使ったNGN「NGN-VPN」の利用には、「フレッツ・v6オプション」の契約が必要だ。これでインターネット接続サービスの契約がなくても、「IPoE」という接続方式で拠点間の直接通信が可能になる。NGN内部はIPv6だが、拠点のルーターでLAN側からのIPv4パケットをIPv…
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[第1回]「NGN-VPN」のススメ
複数の拠点を持つ企業が、拠点間で通信できるネットワーク、WANを構築する用途で幅広く利用されているのが、NTT東日本/NTT西日本(以下、NTT東西)が提供する「フレッツ」である。フレッツは、FTTHやADSLを使ったアクセス回線サービス。固定の電話回線がつながる場所であればおおむね利用できる、提…