今、学校教育の現場にICT機器が入り始めている。児童がタブレットを使って各教科を学んだり、学生1人1台のパソコン必携化が進んだりとICT機器の導入に焦点が当たることが多い。一方、児童や生徒、学生を取り巻く環境も一昔前とは大きく変わり、スマートフォンを持つのが当たり前、高校生にもなるとLINEなどSNSを使いこなして日々過ごしている。こうした状況を実際の教育現場はどう感じ、どのように対応しているのだろうか。現場のリアルな声をお届けする。
教育ICT現場のリアル
目次
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働き方改革ならぬ「学び方改革」、JALとIDOMの取り組みとは
ITを活用した新たな教育系サービスを導入し、「働き方改革」ならぬ「学び方改革」とも言えそうな成果を出している事例が登場している。日本航空(JAL)とIDOM(旧社名はガリバーインターナショナル)の取り組みを紹介したい。
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米大学はノートPCが必須、デジタルツールを駆使してこそ得られるものがある
米クレムソン大学教授(前副学長・CIO) ジェームズ・R・ボタム氏に聞く
大学におけるパソコンの必携化が進む中、米国においてはノートパソコンは必須であり、「ICT環境の整備が大学の競争力に直結する」と米国の有力公立大学であるクレムソン大学で副学長およびCIOを務めた現・教授のジェームス・R・ボタム氏は述べる。同氏に米国の大学における情報リテラシー教育などを聞いた。
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今ならまだ「試行錯誤が許される」、小学校のプログラミング教育
「New Education Expo 2017 in 大阪」のセミナーより
2020年度に全面実施される小学校の次期学習指導要領。その総則には「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるための論理的思考力を身に付けるための学習活動」を計画的に実施する旨が明記されている。小学校でどのようにしてプログラミング教育をするかが差し迫った課題となってい…
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N高のホロレンズ授業、教室は複合現実
2016年4月に開校した学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校(N高)。ネットだけでなく、リアルな場で学ぶ通学コースも用意している。そこでも最新のICTツールを駆使している。
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ニコ動ニコ生の技術をフル活用、N高の授業とは?
2016年4月に開校した学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校。単位制の通信制(広域)高等学校で、当初から“ネットの高校”を掲げ、ICTの利活用を前提とした授業を展開。最新ツールの導入にも熱心だ。
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未踏スーパークリエータが小学生にプログラミング授業、「遊びを作る側に」
2020年度の小学校でのプログラミング必修化を見越し、多くの先行的な取り組みが実施されている。そんな取り組みをする小学校の一つが小金井市立前原小学校である。同校では2017年3月10日、IPA(情報処理推進機構)が認定する2015年度「未踏スーパークリエータ」の一人であるハックフォープレイ代表取締…
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「ICT導入が進んだ地域ほど教員の自己肯定感低い」、PCカンファレンス北海道2016より
「学力向上・修学支援とICT」をテーマに、千歳科技大の小松川教授など講演
教育とICTの関わりについて専門家や企業が議論するイベント「PCカンファレンス北海道2016」が2016年10月22、23日、北海道の札幌学院大学で開催された。今回の連載「教育ICTの現場」は、開催地である北海道におけるICT教育の現場の最新状況なども盛り込まれたPCカンファレンス北海道2016の…
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小金井市が先生向けプログラミング教育研修、Scratch、LEGO、GLICODEなどが一堂に
2016年8月30日、小金井市教育委員会は小・中学校の教職員向けにプログラミング教育研修会を開催した。研修会にはビジュアルプログラミング言語「VISCUIT」や「Scratch」、プログラミングロボット教材の「LEGO MINDSTORMS EV3」など合計で9種類のプログラミング教材が一堂に会し…
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ブロックチェーンが学びを変える、価値の細分化と知識の系譜の明瞭化が可能に
分散型台帳技術のブロックチェーンは金融分野だけで利用される技術ではない。海外では、ブロックチェーンを教育分野に利用しようとする動きも出てきている。SXSWedu(サウス・バイ・サウス・ウエスト・イー・ディー・ユー)2016など最新の教育トレンドが議論される現場のレポートを含め、ブロックチェーンと教…
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「AltSchoolがKocri試験導入」「ブロックチェーンで学びを可視化」、SXSWedu2016報告会
世界中から多くの教育関係者が集う教育とテクノロジーのイベント「SXSWedu(サウス・バイ・サウス・ウエスト・イー・ディー・ユー)2016」の報告会が2016年5月21日、都内で開催された。3月7日から10日まで米テキサス州オースティンで開催されたSXSWedu2016に参加したベンチャー企業や識…
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ゲームで情報モラルを学ぶ、グリーのアプリを使い千葉大付属中で公開授業
いまや多くの生徒がスマートフォンを所有し、「LINE」などをコミュニケーションツールとして活用するようになっている。こうした生徒側の情報化を背景に、学校においてもいかに情報モラルを効果的に教えるかが課題となっている。2016年2月3日、千葉大学教育学部付属中学校で、実際のスマホゲームと同等のクオリ…
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「研修のいらない仕組みが学校のICT化には必要」、ロイロノートユーザー会より
小中学校や高等学校でタブレットなどICT機器の導入が進んでいる。一般の企業が使うソフトウエアと同様、多くの学校で採用されているソフトウエアについてもユーザー会が開催されることがある。そんなソフトウエアの一つがLoiLoが開発・提供する授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」だ。
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3万台のWindowsタブレットを導入した佐鳴予備校の狙い
通信教育や予備校、学習塾での学びにタブレット端末を利用する動きが広がっている。静岡県、愛知県、岐阜県を中心に事業を展開している進学塾 佐鳴(さなる)予備校は、約3万台のWindowsタブレットを導入し、2016年からタブレットを利用する学習に本格的に乗り出す。タブレット活用の狙いと効果について、ど…
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桜丘中学・高等学校の「ICTオープンスクール」に学ぶ、授業でのタブレット活用とは?
東京・北区の桜丘中学・高等学校で2015年12月18日、模擬授業などで構成する「桜丘 冬のICTオープンスクール」が開かれた。桜丘中学・高等学校は2年前から、米アップルのタブレット「iPad」を中学および高等学校の新入生に配布。次年度(2016年度)からは、いよいよ全生徒・全教員がiPadを所持す…
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「学生にはDBという概念があまりない、FileMakerでプログラム的発想とつなげる」
ICT活用し“自ら解決”に取り組む千歳科学技術大学の「情報デザイン」
北海道の千歳科学技術大学は、2013年から「情報デザイン」の授業にPCやタブレットを活用し、身の回りの課題解決に取り組んでいる。その仕組み作りのためのツールとして導入しているのが米ファイルメーカーの「FileMaker Pro」だ。同大学で情報デザインの講師を務めるDBPowers代表取締役の有賀…
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タブレットは学習に効果的か? 児童・生徒の利用状況は?
総務省の「平成24年版 情報通信白書」によると、積極的にICT化に取り組んでいる教育機関の方が「生徒の基礎科目の学力向上」「生徒の学習態度改善」など、多くの面において効果を得ていることが分かっている。今回は、ICT教育現場のトレンドの一つであるタブレット導入を取り上げ、その利活用の実態を見ていこう…
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プログラミング教育は何のため? 「プログラミング“で”学ぶ」古河市の取り組み
iPad導入の大和田小がScrachJrやCodeable Crafts、SPRK使った授業を公開
2015年11月17日、茨城県古河市の大和田小学校でプログラミング教育の公開授業が行われた。古河市教育委員会 教育部 指導課の平井聡一郎参事兼課長は、同小学校のプログラミング教育について、「『プログラミング“で”学ぶ』ことに重きを置いている。目指すのは自然にアルゴリズムが身に付くようにすること」だ…
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10代のスマホ・SNS、教育現場ではどんな指導をしているのか?
10代の中学・高校生においては、スマートフォンやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によって引き起こされた事柄が社会問題となるケースが出ている。そうした中、学校現場ではスマートフォンやSNSの問題にどう対応しているのだろうか。第1回は、10代の置かれている現状と問題点、教育現場の指導の…