JavaOneレポートも今回が最終回です。
Java SE 9で最も注目されているのはProject Jigsawですが、その他にも注目すべき機能があります。その中で、今回はProject KullaとNew HTTP Clientのセッションを中心にご紹介します。
Project Kulla
Project Kullaでは、Java SE 9で導入されるRead–Eval–Print Loop(REPL)ツールのjshellを提供しています。セッションは以下の通りです。
- jshell: The New Interactive Java Language Shell for JDK 9
スピーカは、Project KullaのリードであるRobert Field氏でした。
REPLツールはインタラクティブにコードを記述し、その場で実行できるツールです。今まで、Javaではmainメソッドのあるクラスを作って、コンパイルしてから実行する必要がありました。jshellを使用すると、mainメソッドのあるクラスを作成しなくても、スクリプト言語のようにJavaを実行できます。
セッションはjshellを使ったデモが中心だったこともあり、セッション資料は公開されていないのが残念なところです。
説明するより、実際にどのように動作するのかお目にかけた方が理解が早いので、早速やってみましょう。現在公開されているJDK 9 Early Accessには、既にjshellが含まれているのですぐに実行できます。
では、jshellを起動してみましょう。今回はWindowsで実行していますが、LinuxやMacでも動作可能です。
C:\>jshell
| Welcome to JShell -- Version 9-ea
| Type /help for help
->
図1●jshellの起動
"->"がjshellのプロンプトです。
入力された式はその場で評価され、結果が表示されます。また、式ではセミコロンを省略することができます。
-> 2+3
| Expression value is: 5
|assigned to temporary variable $1 of type int
-> int a = 10
| Added variable a of type int with initial value 10
->
図2●式の評価
2+3を実行すると、その場で評価され結果の5を表示します。また、intの変数を宣言し初期値を代入すると、変数に初期値が代入されたことを表示します。