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 個人情報保護法改正案において、いわゆる「ビッグデータ」を有効に活用するとの名目で新設されたデータの類型。世界でも初めての法的枠組みとされる。改正案では、特定の個人を識別できないように加工して、なおかつ個人情報を復元できないようにしたものと定義している。

 匿名加工情報は当初、個人情報を提供した本人の同意がなくても、他社にデータを提供できる枠組みとして検討されてきた。しかし現在は、他社にデータを提供する目的でなくても、「非個人情報」として目的外の利用ができる枠組みとされている。内閣官房の向井治紀審議官は2015年5月の国会審議で「匿名加工情報は個人情報取得の際の利用目的にとらわれることなく、第三者に提供しなくても自社利用が可能」と説明した。

 企業関係者からは、様々な用途に使えると期待する声が上がっている。企業が社内で保有する個人情報の漏洩対策やセキュリティの確保のために、データを必要な部分だけに減らした匿名加工情報にするといった場面が想定される。Webサイトにおける顧客の閲覧履歴などから匿名加工情報を生成すれば、非個人情報として管理や分析ができると見込む企業もある。

 例えば、IoT(Internet of Things)の活用では、本人が知らない間に個人の情報をセンサーが自動的に収集することがある。この場合、データ活用のために本人の同意を得るのが難しい。収集した後で匿名加工情報にすれば、本人の同意がなくても他社に渡せる。

 ただ、匿名加工情報は完全な匿名データではない。法改正を検討してきた「パーソナルデータに関する検討会」の技術検討ワーキンググループは、完全な匿名データであるとの誤解を避けるため、「個人特定性低減データ」と呼んできた。