マスターとスレーブが存在しない

 ビットコイン取引所運営のbitFlyer取締役CTO(最高技術責任者)の小宮山峰史氏は、ブロックチェーンの魅力として「マスターとスレーブの関係が全くない分散処理データベースである点」を挙げる(写真1)。

写真1●bitFlyer 取締役CTO(最高技術責任者)の小宮山峰史氏
写真1●bitFlyer 取締役CTO(最高技術責任者)の小宮山峰史氏
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 「技術としてのブロックチェーンの面白さは、(ブロックチェーンのproof of workに代表される)コンセンサス機構だけではない。個々のノードが独自にトランザクション(取引データ)を処理しつつ、全体としてデータを統合できている点がすごい」(小宮山氏)。

 例えば、分散処理系として知られるHadoopには、マスターノードとスレーブノードが存在し、マスターノードは単一障害点になり得る。これに対してブロックチェーンは、マスターに相当するノードは存在しない。このため、一部のコンピュータが停止してもデータは消えず、処理を継続できる。

 小宮山氏は、ゲーム会社のプログラマーを経て、IT技術者としてゴールドマン・サックス証券に入社。そのとき、後にbitFlyerを創業する加納裕三氏と出会った。後に、加納氏と起業するに当たり、ビットコインの基幹技術であるブロックチェーン技術を学んだ。

 今では、bitFlyerのビットコイン取引所システムの開発を主導するほか、社内に設置したブロックチェーン研究所の所長を務める。

 取引所システムの開発に当たっては、ビットコインのプロトコルをもとに自らソフトウエアに実装している。「世界の取引所の大半は『bitcoind』のような標準のオープンソースソフト(OSS)を使っているが、それではセキュリティがブラックボックスになる。自作した方が、取引所システムのセキュリティを担保しやすい」(小宮山氏)との判断からだ。