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 ITproという名称のサイトでITのプロである読者に向けて「なぜ出世しないのか」と責めるかのような題名を付けてしまったが、これは英文を日本語に訳したものだ。原文を紹介する。

“It is my strong impression that it is still pretty rare that IT/CS professionals have risen to the rank of executive officers in large and medium size Japanese firms. Do you agree?”

 上記の質問は米カリフォルニア大学バークレー校のロバート・コール名誉教授から送られてきた電子メールの中にあった。

 そのメールや別のメールの内容から見て、executive officersは例えば経営会議や常務会、事業本部長会議など経営の意思決定を下す会議に出る幹部を指す。IT/CS professionalsのCSはコンピュータサイエンスの略であり、大学ないし大学院でITやCSの教育を受けた人をコール氏は想定している。

 直訳すると次のようになる。

 「日本の大規模または中規模の組織でIT/CSのプロが役員の地位に登ることは極めて珍しい。こう私は強く感じている。あなたは同意するか」

 同意するかと聞かれると“Yes”とは答えにくい。といって“No”でもない。「答えるのが難しい。しばし待ってほしい」とだけ応答した。

 コール氏に回答を送ったのは3日後だった。英作文に苦労したこともあるが考えを整理するのに時間がかかってしまった。

「日本企業は大丈夫なのか」

 コール氏は2016年9月からITproに、「ソフトウエア、それが問題だ Software Matters」という主題について寄稿している。過去3回分の題名を見ればコール氏が冒頭の質問をしてきた意図は明確である。

 ソフトウエア、つまりITは組織や事業を変えていける。だが日本企業はソフトウエアの可能性に気付いていない。

 ソフトウエアがもたらす変化を上手に舵取りするには、ITやCSのプロが経営に近づき、可能なら経営に参画しなければならない。だが日本企業はITやCSのプロを登用していない。