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「食べログ」で起きたステマ事件は社会問題に
「食べログ」で起きたステマ事件は社会問題に
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 今回から、具体的な過去のステマ事件を振り返り、その問題点について見ていく。なぜあのステマは大きな社会問題となったのだろうか。まず、社会に大きな影響を与えた代表的なステマ事件として、「食べログ事件」「2ちゃんねるまとめブログ事件」を取り上げたい。

社会的に影響が大きかった「食べログ事件」

 食べログは、2015年3月時点で631万件を超える口コミ情報と80万件以上の国内レストラン情報が掲載されている国内最大級のクチコミグルメサイトだ。ステマ問題を取り上げるに当たり、避けては通れないのが2012年1月に起こった「食べログ」事件だ。食べログはクチコミサイトとしての認知度・影響力の高さから社会的影響が大きく、「ステマ」という言葉をこの事件で知ったという人も多い。

 2012年1月4日に、食べログでやらせ業者によるやらせ評価が行われていることが明らかとなり、大騒ぎとなった。食べログを運営するカカクコムによると、2011年11月頃、飲食店より不正業者から食べログへのクチコミ代行の営業を受けたとの通報があり、業者の営業資料などを基に独自調査を行ったという(図1)。例えば「月10万円で5件、12万円で10件のクチコミを書く」などの仕組みをとっていたようだ。同年末時点で同社が特定したところ、39の業者がランキング操作の業務を請け負っていることが判明。消費者庁が景品表示法(不当表示)に基づき調査を行ったものの、やらせ業者に対して行政処分を科すことは事実上難しいとの判断となった。

図1●ステマ報道を受けたカカクコムの説明
図1●ステマ報道を受けたカカクコムの説明
出所:カカクコム
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 そこで2012年3月、同社は食べログにおけるやらせ排除に動いている。まず、携帯電話番号を活用したレビュアーの認証システムを導入。携帯番号による認証手続きが完了したレビュアーは、食べログ上で「携帯番号認証済」マークが表示される。同時に、店舗の評価点数を算出するアルゴリズムを大幅に変更したのだ。

 現在の食べログの評価点数は、ユーザーのつけた評価の単純平均ではないことをご存じだろうか。レビュアーごとに影響度合いをお店のジャンルへの食通度合いから算出。影響力のあるレビュアーの得点は総点数への影響が大きくなり、逆に食通度合いが低いレビュアーの採点は点数計算に反映されない。同時に、ある程度の評価が集まらないと点数が大きく変化しないような仕組みとなっており、評価点数の意図的な操作が難しくなっているのだ。公式サイトでも、「食べログで3.50点(上位4.4%)を超えるお店は『食通レビュアー』が高い評価をつけているお店になっており、高い確率でご満足いただけるお店がランキングされています」と書かれている(図2)。

図2●食べログの現在の評価アルゴリズム
図2●食べログの現在の評価アルゴリズム
出所:カカクコム(http://tabelog.com/help/score/)
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