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ブランド力のある企業が起こした事件は注目を集める傾向がある
ブランド力のある企業が起こした事件は注目を集める傾向がある
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 「ステマ 事件」で検索すると、Googleサジェストである特定企業が検索キーワードとして表示されることをご存じだろうか。それはソニーだ。なぜソニーはステマの関連語として表示されてしまうのか。それは、過去のステマ事件に原因があるようだ。ソニーが係わってきたと見られるステマ事件の概要とともに、一般の企業も陥りかねない危険性について考えていきたい。

ブランド力があり、グループ会社・子会社が多いため?

 なぜ他の企業は出て来ないのに、ソニーが「ステマ 事件」の検索キーワードで表示されてしまうのだろうか。同社のWikipediaページを見ると、「ステルスマーケティング」という項がある。そこに載せられているだけでもかなり多くのステマ事件が起きているようだ。

 ソニーのブランド力により事件が注目され、ステマ事件が多いように見えるという面はあるだろう。ソニー本体だけでなく、前回ご紹介した「デビッド・マニング事件」のようにソニー・ピクチャーズエンターテインメントなど、多数あるグループ会社や子会社の例もひとまとめにされているためもあるかもしれない。しかし、そうであっても社名に「ソニー」がつくことは事実。消費者からは同じソニーと見られ、「ソニーはステマが多い」と思われてしまう要因となっているのではないか。

トランジスタラジオ販売でサクラ?

 ソニーは言うまでもなく、海外にも多くのファンを持つ、高い技術力を持つ巨大メーカーだ。ところが、そんなソニーも最初から海外で名前をとどろかせていたわけではない。ソニーがトランジスタラジオを欧州で売り出すときの逸話は興味深い。

 1950年後半、トランジスタラジオを海外でも売り出そうとしたが、その頃のソニーはまだ海外では無名で、その製品は高い品質にもかかわらず見向きもされなかった。そこでソニーは、ドイツの高級店にトランジスタラジオを有料で1週間展示してもらうことにする。学生バイトを雇って、展示されたトランジスタラジオの前に人だかりを作らせ、「このラジオは小さいのに音が良い。ぜひ買いたい」と店員に言わせた。社員が実際にラジオを店で買い求めたり、ラジオを片手に街を歩き回ったりもした。いわゆる「サクラ作戦」だ。

 この作戦が功を奏し、店からたくさんの受注を受けることにつながる。さらに「クリスマスプレゼントにソニーのトランジスタラジオを」という新聞広告を出したところ、実際に多くの商品が売れたのだ。

 この手法は確かにサクラこそ使ってはいるが、成功譚であり良い話として受け入れられている。以前紹介したアイスクリームのホブソンズによるサクラの行列によるマーケティングも、斬新なマーケティング手法として受け入れられた。当時、アナログの場で行う行為であれば好意的にとらえられた。だが、インターネット時代になるとそうではなくなってしまう。もはや「ステマ」として好意的には見られないのだ。