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 ITpro読者の皆さんは、「デジタルマーケティング」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。ITエンジニアが多数を占めるであろうITpro読者の中には、「デジタルマーケティングは自分に関係ない」と思っている人も多いかもしれない。しかし企業の事業開発にITが不可欠になった現在、システム開発者であってもデジタルマーケティングの知識は不可欠だ。マーケティングが本業でない読者に向けて、デジタルマーケティングの要注目キーワードを三つ取り上げ、その基礎や事例を解説する。

 まずはデジタルマーケティングのありがちな「誤解」を解いておこう。デジタル技術を活用したマーケティングの総称、それがデジタルマーケティングである。インターネットやソーシャルメディアなど、デジタル空間の活動だけを指すのではない。

 既存の店舗運営や接客対応などにデジタル技術を活用することも含んだ幅広い言葉だと考えるべきだろう。後押しするのが、IoT(Internet of Things)やデジタルサイネージなど、デジタル技術を活用したリアル空間向けの機器の広がりだ。従来のマーケティングがアナログな世界を中心に行われていたことに対する、問題提起としての言葉だと思った方が分かりやすいかもしれない。

 デジタルマーケティングの将来を考える上で、注目すべきキーワードは三つある。(1)コンテンツマーケティングとネイティブアド、(2)オムニチャネル、(3)アンバサダープログラム」だ。

 今回はコンテンツマーケティングとネイティブアドを取り上げ、基本的な知識やその意義、両者の関係を解説する。

あらゆる企業が「メディア」になる

 コンテンツマーケティングとは、文字通りコンテンツを軸にしたマーケティング手法のことだ。ブログやエッセーといった記事に写真、動画、ゲーム、電子書籍など、あらゆるコンテンツが対象になる。

 従来のマスマーケティングでは企業は広告費をメディアに支払い、テレビCMや新聞広告などの広告枠に自社の宣伝メッセージとしての広告を掲載。それによって消費者の認知を獲得し、購買意欲を喚起することを目指していた。ただ、ネットやソーシャルメディアの普及により、消費者が取得できる情報量が爆発的に増え、スマホを通じた友人とのコミュニケーションが増加するなど、一方通行の広告メッセージが効果を発揮しづらくなってきた。

 消費者に求められる「コンテンツ」を企業が作って提供し、コンテンツを通じて製品やサービスのことを知ってもらったりファンになってもらおう――。これが企業がコンテンツマーケティングに取り組む狙いだ。

 コンテンツマーケティングの考え方自体は目新しいものではなく、原型は1800年代から存在しているという考え方もある。ただ、ネットやソーシャルメディアの普及で、若年層を中心にテレビを見る時間が相対的に減少。従来のマスマーケティング手法の効率が下がりつつある。一方、コンテンツの制作や配信といった技術が進化し、企業側がコンテンツマーケティングに取り組みやすい環境が整ってきた。これら様々な環境変化が、コンテンツマーケティングが大きなトレンドとして注目されている背景だ。